第2回製剤技術伝承実習講習会: 2011/9/8-9

2011-09-08 00:002011-09-09 23:59 ical Google outlook

「塩・Cocrystalのスクリーニング及び結晶多形、水和物のキャラクタリゼーション」 東邦大学薬学部で結晶スクリーニングと物性研究を学ぼう!

会期

2011/9/8(木)-9(金)

会場

東邦大学習志野キャンパス

A館 製剤実習室(1階), C館 薬剤学教室(7階), E館 分子創薬システム室(2階)
JR「津田沼」駅よりバス約10分「東邦大学前」駅下車, 京成電鉄「京成大久保」より徒歩約10分

船橋市三山2-2-1
Phone: 047-472-1494

ご案内

東邦大学薬学部で結晶スクリーニングと物性研究を学ぼう!

新規医薬品の創製を取り巻く環境が厳しさを増す中、数々のハードルをクリアした候補化合物を医薬品として世に出すためには、創薬の早い段階から薬として具備すべき特性を評価し、得られた知見をもとに最適な結晶形態を選択し、それに基づいた製剤設計戦略を提案する必要があります。しかしながら物性研究に関しては、その重要性が認識されつつも、一定の標準的な手法がある訳ではなく、各社ともどのように結晶形態を選択し、また選択された原薬に対してどのような物性を測定したらいいのか、どのような測定方法があるのかなど、業務の中で日々模索を続けられていることと思います。

本学会では、各企業において製剤技術の伝承が途絶えることを懸念し、2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、年2回の製剤技術伝承講習会を開催して参りましたが、このたび多くの会員の皆様のご要望に基づき、標記実習講習会を企画しました。本講習会は座学の講義だけではなく、製剤技術に関する問題の解決を実際に経験していただくことに重点を置き、それぞれの分野の専門家から直接的にノウハウを伝授するものです。奥の深い物性に関する世界を少しでも受講者に体得していただき、各企業でのレベルアップや発展につながることを願っています。

第2回目の今回は『塩・Cocrystalのスクリーニング及び結晶多形、水和物のキャラクタリゼーション』というテーマで別紙のようなプログラムを用意させていただきました。最適な結晶形態の選択のノウハウ、原薬の物性評価の基本から応用まで知識と技能習得を目指した講習会です。初~中級の製剤研究者を対象とした「問題解決型」の内容となっており、実施に結晶スクリーニング装置の操作、粉末X線回折、熱分析、ラマン・テラヘルツスペクトルなどの測定を行っていただきます。さらには、粉末X線回折データを用いた結晶構造解析法のノウハウについて習得していただく予定です。

社団法人日本薬剤学会会長 杉林堅次

製剤技術伝承委員会委員長 吉野廣祐

プログラム

冒頭に本企画のコーディネートと会場の提供をしていただいた寺田勝英先生よりご挨拶をいただきます。担当委員にて講義の後、以下のA~Dの実習課題につき、実際の機器を用いた実習に入ります。なお、実習は8人以下のグループにより、A~Dの各課題をローテーションで実施します。

講義:「医薬品開発における物性研究の位置付け」

医薬品の創製を進めるにあたり、物性研究は様々な場面において重要な役割を担っています。化合物探索段階におけるスクリーニングに始まり、開発候補化合物の選定を経て、開発化合物の品質管理や有効期間の設定に至るまで、実に幅広い範囲で活躍の機会があります。本講義では、はじめに、数ある物性研究項目の中から、「化合物探索段階における物性スクリーニング」、「候補化合物の最適化研究」、「開発形の決定」の主要な3項目をピックアップし、これらの研究概要と医薬品の開発ステージとのかかわりを中心に、医薬品開発における物性研究の位置付けや流れについての講義を行います。さらに、より詳細な物性評価手法を学ぶために、「結晶多形のキャラクタリゼーション総論」、「粉末X線回折データによる結晶構造解析」、「キャラクタリゼーションのための分光法」の講義を行います。

実習課題A, B:「塩・Cocrystalのスクリーニング」

塩及びCocrystalの形成により、溶解性を含む化合物の物理化学的性質は改善可能な場合があります。特に難水溶性化合物が臨床候補化合物として選択される傾向が増加する中、これらの原薬形態としての重要性は現在広く認知されています。一方、これらの原薬形態への適用においては、数多くあるカウンターイオン(Salt former)及びCoformerの選定に加え、様々な結晶化条件を適用した網羅的スクリーニングと種々の機器分析が必要となります。本実習では、具体的にモデル化合物を用いて塩及びCocrystalのスクリーニングを進め、試料調製ならびに粉末X線回折、熱分析、ラマン・テラヘルツスペクトルなどの機器分析を行っていただきます。実習Aでは、試料調製が簡便で統一された条件下で多形・塩スクリーニングが実施可能と考えられる非晶質を用いたスクリーニング法を学んでいただきます。 実習Bでは、容易に実施できるCocrystalスクリーニング法で、かつ、マニュアルでも比較的スループットの高い結晶化が可能なSlurry法及びGrinding法を用いたスクリーニングを中心に体験していただきます。

実習課題C, D:「多形・水和物のキャラクタリゼーション」

探索研究においては、スクリーニングの結果見出された結晶多形・水和物から、最適な性質を示すものが選択されます。最安定形の決定、吸湿性などのバルク特性の評価、さらに、製剤化を想定した、製剤中での結晶多形の評価は、プレフォーミュレーションのためには必要不可欠です。実習Cでは、粉末X線・熱分析を使用した、結晶多形・水和物の評価方法と結晶多形間の安定形、準安定形の判別方法について学んでいただきます。 実習Dでは、テラヘルツ・ラマン・DVSを用いて得られた結晶のキャラクタリゼーション手法を中心に体験していただく予定です。

第2回製剤技術伝承実習講習会準備委員会

池田幸弘(武田薬品工業(株))、小野 誠(第一三共(株))、高田則幸(中外製薬(株))寺田勝英(東邦大学)、米持悦生(東邦大学)

協力:(株)アドバンテスト、CTC(株)、(株)バイオメディカルサイエンス、(株)リガク

以上五十音順

  • 当日、講義及び実習資料の配布を予定しております。
  • 実習A, B, C, Dいずれかの課題を指定しての、1日/1課題単位でのお申し込みはご遠慮下さい。

参加区分と参加費

締切:2011/9/1 17:00

  1. 多数の申込となった場合、申込順によらず、1社あたりの参加者数を制限させていただくこともございますのでご了承下さい。
  2. 参加費には、講義並びに情報交換会への参加・資料(初日に配布)が含まれます。
  3. ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
  4. 参加登録フォームは、区分【A】と区分【B】【C】で異なりますのでご注意下さい。
  5. 参加登録受付は学会支援機構のオンライン参加登録システム(SSL接続)を使用しています。
  6. 本学会個人会員(区分【A】)の方は、ご登録にあたり「会員番号」「パスワード」が必要です。
参加区分 参加費 参加登録フォーム
【A】本学会会員 55,000円 区分【A】での登録 >>>
【B】本学会賛助会員企業社員 55,000円 区分【B】【C】での登録 >>>
【C】本学会非会員 75,000円

お問合せ先

社団法人日本薬剤学会事務局
Phone: 03-5981-6018, Email: apstj [at] asas.or.jp