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会期
2014/1/23-24, 2/13-14(各、木・金)
会場
名城大学名駅サテライト
名古屋市中村区名駅3-26-8 名古屋駅前桜通ビル13階
ご案内
奥深い匠の技術と設計思想を学び、日本の技術力を更なる高みへ
薬事法改正を始めとする環境の変化に伴い、わが国で脈々と培われて来た製剤技術が散逸することが懸念される中、本学会では2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、製剤技術の伝承に努めて参りました。今回は「非経口製剤の製剤設計と製造法」をテーマに、様々な分野のエキスパートにご講演いただきます。奮ってご参加下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。
公益社団法人日本薬剤学会会長 原島秀吉
製剤技術伝承委員会委員長 吉野廣祐
本講習会はシミックホールディングス(株)の協賛を得て運営されております
プログラム:第1日 1/23(木)
10:00-12:00
注射剤総論 -製剤開発を中心に-
德永 雄二
沢井製薬株式会社 執行役員・製剤研究部長
“注射剤は直接体内に投与される無菌製剤であり、その製剤開発には、経口剤等の非無菌製剤とはまったく異なる知識や経験、技術が要求される。本製剤技術伝承講習会では、凍結乾燥注射剤、無菌管理・バリデーション・施設設計、ナノキャリア、バイオ医薬品、注射剤の容器と包装に関して、専門家の先生方が詳細に解説される予定です。本講義では、注射剤に関する基本的な事項や処方設計及び工業化研究のポイントをレビューするとともに、先発医薬品としての注射剤の処方設計、特にフェーズⅠ用製剤の設計に際して留意すべき点を概説する。皆様の今後の製剤開発の参考になれば幸いです。”
12:45-14:45
凍結乾燥注射剤
草井 章
北里第一三共ワクチン株式会社製薬技術部 担当部長
“凍結乾燥は注射剤、特に溶液安定性の悪い有効成分の製剤化に汎用されている。
本講義では、糖稀有乾燥の利点・欠点、装置、工程について概要を述べた後、製剤化時に解決すべき課題として経験する諸問題(安定性・安定化、結晶化、破瓶、残留水分、ゴム栓残留水分の影響、緩衝成分と凍結時のpH移動、共晶点/コラプス温度、氷晶形成条件など)について論じる。
ついで、第一三共での事例(カルベニン等の製品)と密閉式凍結乾燥システムの評価検討について紹介する。
これらの話題をもとに、受講生の皆さんと活発な議論を展開したい。”
14:55-16:55
無菌製剤の構造設備とGMP
中村健太郎
日揮株式会社 第3プロジェクト本部 産業システム設計部
“無菌製剤の製造プロセスの特徴、設備設計のポイント、アイソレータ/RABSの特徴、ゾーニング、バリアや更衣の機能などについて解説します。無菌コアを守るための様々な機能の組み合わせにより、無菌製剤工場は成り立っています。各々が持つ機能の役割を正しく理解することで皆さんがお勤めされている工場の施設や設備についても、設計する側の意図の理解や、GMP的な視点から見ることが出来るようになっていただければ幸いです。”
16:55-18:25
情報交換会
プログラム:第2日 1/24(金)
10:00-12:00
日本から発信する最先端ナノテクノロジー技術による創薬ベンチャーの起業
中冨一郎
ナノキャリア株式会社 代表取締役社長
“日本発技術を世界に発信するために発明者と研究開発型の創薬系バイオベンチャーとして、会社を設立。新しいDDS技術で、病巣部のがん細胞を選択的に攻撃すればがん患者のQOL改善ができる。このような治療薬の開発および承認を目指して事業化を進めています。現在、我々が関与する開発品は、ランセンシーによる活動を含めて、国内外で4品目、Phase IIIを含む6つの臨床試験を実施しております。”
12:45-14:45
米国におけるバイオ医薬品CMC開発の現状と製剤設計
松村正純
ジェイバイオロジックス株式会社 代表取締役
“演者は2002年から2008年にかけて、米国アムジェン社のプロセス開発/製剤部に勤務する機会を得た。本講演ではアムジェン社におけるバイオ医薬品、特に抗体、の製剤開発の戦略と実際について述べる予定である。演者が担当した抗体は米国FDAに承認申請をする過程であったことから、当時、申請に際して問題となった課題についても紹介する予定である。
演者は製剤技術というよりも生命科学やバイオテクノロジーへの想いが強い。残念ながら現在の日本のバイオ技術は欧米に比べかなり遅れているので、基盤技術の向上やバイオベンチャーの育成が早急の課題だと感じている。”
14:55-16:55
プレフィルドシリンジ製剤
前原 隆
株式会社タケトモ 技術アドバイザー
“プレフィルドシリンジ製剤のバレル材質は、薬液との安定性の面からガラスが一般的であったが、バレルに使用可能な樹脂が見出されて以来、破損防止や加工のしやすさからプラスチックバレルのプレフィルドシリンジが普及してきた。今回プレフィルドシリンジに使用されるプラスチック材質の特性と品質基準、シリンジを構成する各部材の設計時の留意点と品質・機能の評価方法について演者の経験を踏まえて紹介する。”
プログラム:第3日 2/13(木)
※演者を変更致しました(2014/1/9)
10:00-12:00
眼科薬の最適化
大鳥 聡
千寿製薬株式会社 執行役員 研究副本部長
“点眼剤のバイオアベイラビリティは、非常に低いことが広く知られている。その利用率は、1000年前の遣唐使船(海路約1000km)の成功率とほぼ同じと言う研究者もいる。眼疾患治療薬を夢のデリバリーシステムに乗せて、現代の交通手段のように100%確実に治療部位に到達させたいと考えている。
本講義では、計算機による眼内動態シミュレーション結果から、最適化した製剤例として、1日1回点眼型チモロール点眼液を紹介する。また、ステロイドの眼内移行性と使用時の利便性を改良したエマルション点眼剤や眼科薬の新しいドラッグデリバリーシステムについても紹介する予定である。”
12:45-14:45
外用製剤総論
山内仁史
ニプロパッチ株式会社 執行役員 ビジネス開発部長
“外用製剤の一般的な分類を示すとともに、マクロゴール軟膏を例に処方設計の考え方を解説します。また外用製剤の評価方法、生物学的同等性試験などについても具体例を示しながら解説します。経口、注射に次ぐ第3の投与ルートとして、外用製剤は患者さんのQOL向上にも貢献する製剤です。モノづくりの楽しさ、やりがいや難しさを通じ、皆様の今後の研究の一助になれば幸いです。”
14:55-16:55
長期徐放性注射剤の製造法とバイオ医薬品のDDS製剤の現状
岡田弘晃
株式会社岡田DDS研究所 所長
“世界の医薬品売上トップ10には7個のバイオ医薬品が占め、特に今後ペプチドや核酸を用いたバイオ創薬に大きな期待が寄せられている。これを可能にするには革新的DDS技術が必須であり、その実態を紹介する。また、すでに汎用されているペプチドの長期徐放性製剤については詳細を紹介したい。バイオ素材の物性、体内動態を熟知して、効果増強、副作用軽減、利便性の向上を追及するために、添加剤や製造機械の改良など、現状に囚われない積極的なアプローチが重要で、問題意識を常に持ち、何時も果敢に挑戦する研究者であって欲しい。”
16:55-18:25
情報交換会
プログラム:第4日 2/14(金)
※プログラムの順番を変更致しました(2013/10/10)
10:00-12:00
医療ニーズに最適化した吸入システム
佐藤哲也
大塚製薬株式会社 製剤研究所製剤研究室第二室及び吸入研究室 室長
“吸入剤は、主に気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患等の肺局所治療に用いられるが、全身治療を目的とした開発研究も進められている。本講義では、吸入剤の基礎、特徴、課題及びその解決策について解説する。また、製剤設計の具体例として、低分子医薬品に適したマルチドーズタイプのSwinghalerと高分子医薬品に適したユニットドーズタイプのOtsuka Dry Powder Inhalation(ODPI) システムとを紹介する。製剤は森羅万象の縮図と考えており、物性及び製造工程における原理・原則を理解して制御に努める事が重要である。自分の経験を若い研究者や技術者に伝えて活かしてもらえれば幸いと考える。”
12:45-14:45
半固形剤の研究開発と商品開発
稲木敏男
興和株式会社 医薬事業部研究本部 取締役常務執行役員
東京理科大学 客員教授
“大学卒業後入社して以来、一貫して製剤の研究開発に携わってきた。製剤設計に当っては大学時代の物理化学に基づく理論構築を基本に実践し、第一世代の消炎鎮痛剤が主流であった時、非ステロイド性抗炎症剤のインドメタシンを皮膚から吸収させることに成功した。本講義では、半固形剤の製剤設計に必要な要素と商品化に必要な要因を主に述べるが、本講義の半固形剤の製剤設計に必要な要因が固形剤、注射剤等多くの剤形に通じる製剤技術の普遍性について述べたいと考えている。”
14:55-16:55
貼付剤の製剤設計とプロセス開発
寺原孝明
久光製薬株式会社 研究開発本部 製剤研究所 所長
“経皮薬物送達システム(TDDS: Transdemal Drug Delivery System)は多くの剤形が存在しますが、本講義では貼付剤(テープ剤、パップ剤)にフォーカスし、その製剤設計における留意点およびプロセス開発について解説します。さらに、最近では、新しい貼付剤技術も盛んに研究されていますが、それら新しいデバイスの長所・短所を紹介し、将来医療現場で望まれているTDDS製剤について一緒に考えてみたいと思います。この機会が皆様の貼付剤開発の一助となれば幸いです。”
司会、情報交換会には「製剤技術伝承委員会」から製剤のエキスパートが参加し、話題を提供します。
- 各コマ内訳: 講義90分+討論30分
- 講義名・講師は予定。またプログラムは予告なく変更されることがあります。
- カメラ等の録画・録音機器の持ち込みは禁止とさせていただきます。
- プログラムは仮題であり、予告なく変更されることがあります。
参加区分と参加費
- カッコ内の金額は、前後編各2日間のみ参加の場合の参加費です。
- 参加費には、全編または前後編の講義並びに懇親会への参加・テキストが含まれます。
- ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
- 参加登録フォームは、区分【A】【B】と区分【C】【D】【E】で異なりますのでご注意下さい。
- 参加登録受付は学会支援機構のオンライン参加登録システム(SSL接続)を使用しています。
- 本学会会員(区分【A】【B】)の方は、登録時に「会員番号」「パスワード」が必要です。(ご不明の場合はこちら)
参加区分 | 参加費 | 参加登録フォーム |
---|---|---|
【A】本学会会員-企業所属 | 120,000円 (80,000円) |
区分【A】【B】での登録 >>> |
【B】本学会会員-大学・病院等所属 | 80,000円 (50,000円) |
|
【C】本学会賛助会員企業社員 | 120,000円 (80,000円) |
区分【C】【D】【E】での登録 >>> |
【D】本学会非会員 | 150,000円 (90,000円) |
|
【E】シミックグループ社員 | 80,000円 (50,000円) |
<キャンセルについて>
会期より1週間以内のキャンセルにつきましては、参加費を全額頂戴しますこと、予めご了承ください。
キャンセルが適正な時期に行われれば、キャンセル待ちの方にご参加いただける機会ができますので、このような措置を取らせていただくことになりました。ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、事前に代理出席を申請されている場合には、キャンセル扱いにはなりません。
ご出席について
全講義の70%以上を受講された申込者に対し、講習会修了証書をご所属先上長様宛に送付致します。また、当初お申込の方による当日のご出席が不可能な場合は、一定の条件(以下参照)を満たす代理人による出席を認めます。
代理人の条件等
参加区分【A】【B】
代理人の条件:本学会会員であること。
代理出席の方法:Emailによる事前申請が必要です。以下のフォームをメッセージ本文にペーストし、必要事項をご入力の上、タイトルを「製剤技術伝承講習会代理出席申請書」として事務局までお送り下さい。
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(1)参加登録者の氏名: [ ]
(2)代理出席者の氏名: [ ]
(3)代理出席者の会員番号: [129- - ]
(4)代理出席を申請する講習会: 第[ ]日 / [ 月 日]開催分
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参加区分【C】【D】【E】
代理人の条件:同一企業社員
代理出席の方法:当日、会場受付に(1)当初登録の参加者の名刺と(2)代理出席者の名刺の両方を提出して下さい。
いずれの場合も、代理人は1日につき1名、全日程を通して2名までと致します。
お問合せ先
公益社団法人日本薬剤学会事務局
Phone: 03-5981-6018, Email: apstj [at] asas.or.jp