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会期
2014/6/26-27, 7/24-25(各、木・金)
会場
名城大学名駅サテライト
(名古屋市中村区名駅3-26-8 名古屋駅前桜通ビル13階)
ご案内
奥深い匠の技術と設計思想を学び、日本の技術力を更なる高みへ
薬事法改正を始めとする環境の変化に伴い、わが国で脈々と培われて来た製剤技術が散逸することが懸念される中、本学会では2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、製剤技術の伝承に努めて参りました。今回は「固形製剤の製剤設計と製造法」をテーマに、様々な分野のエキスパートにご講演いただきます。奮ってご参加下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。
公益社団法人日本薬剤学会会長 原島秀吉
製剤技術伝承委員会委員長 谷野忠嗣
本講習会はシミックホールディングス(株)の協賛を得て運営されております
プログラム:第1日 6/26(木)
10:15-12:15
固形製剤設計総論 ~固形製剤開発の重要性と実践~
脇山尚樹
第一三共プロファーマ株式会社 取締役 技術部長
“新薬開発の成功確率が低下し、LCM等の重要性が増加したことにより、配合剤や高付加価値製剤等の必要性が高まり、製剤研究の重要性が高まっている。製剤研究の中でも特に求められるのは製品化に直結する研究・工業化できる研究(者)であり、顧客のニーズに製剤技術応える医薬品を創り出して欲しい。一方、最近、DoE等系統的な統計解析が増加し、製剤研究の効率化が進んでいるが、その反面、昔の物理化学,粉体工学や製剤学による、理論的な解析と考える力が少し落ちてきているように思う。これらのことを若い製剤研究者に伝えたい。”
13:00-15:00
原薬物性の評価
北村 智
アステラス製薬株式会社 技術本部 技術企画部
“製剤の開発にあたっては化合物の薬理、安全性、薬物動態に加え、原薬の物理化学的性質が重要な情報となっている。本講演では経口製剤を設計する上で考慮すべき原薬物性及び製剤化工程中の粉砕・乾燥に基づく原薬物性の変化が製剤特性に及ぼす影響について解説する。近年は、目的とする製剤機能を決定付ける重要工程を明確化し、それらを的確に評価・判断することが求められており、高機能を付加された製剤を開発するには、原薬物性の評価や工程管理を正確に把握するための「ものさし」が必要であり、物性・分析評価技術の役割が益々大きくなると考えている。”
15:10-17:10
経口製剤の製剤設計、製造設計、スケールアップ
谷野忠嗣
塩野義製薬株式会社 CMC開発研究所 製剤研究センター長
“経口固形製剤の製剤設計および製造設計、そしてスケールアップの実際を解説する。また、QbDにも言及し、PAT技術やスケールアップ研究におけるCQAの重要性についても解説したい。製剤技術はどんな薬物にも共通で使用できる部分とできない部分があり、後者に対してはケーススタディ的な取り組みが必要となる。この取り組みを可能とするものは長年の製剤開発で培った技術や知識であり、したがって古い事例であっても非常に参考となるものが必ずある。この伝承講習会でそれらをつかんでいただければ幸いである。”
17:10-18:40
情報交換会
プログラム:第2日 6/27(金)
10:15-12:15
製剤品質を左右する粉砕・造粒・乾燥・整粒・混合工程
山田昌樹
キッセイ薬品工業株式会社 研究本部 製剤研究部長
“製剤の品質は各製造工程の積み重ねであるが、特に造粒工程でいかに品質を造り込めるかが重要だと思われるので、各種造粒手法を中心に解説したいと思います。また、製造装置の機構・原理を十分理解していない製剤研究者も増えてきているので、製造装置の機構・特色を含めて解説したいと思います。
製剤設計には科学的なアプローチ(ソフト)と製造装置のエンジニアリング(ハード)の両立が必要だと考えていますので、装置のことを理解した製剤研究者の育成に取り組んでいます。”
13:00-15:00
WTH自動制御システム(…いかにして錠剤の質量、厚み、硬度を制御するか)
上村 稔
株式会社畑鐵工所 理事/製品開発室
“打錠機における錠剤特性の制御に関しては、打錠圧力に基づく質量のフィードバック制御や不良排出を主とする制御方法や、錠剤の質量と打錠圧力値に基づいて制御圧力を更新して錠剤の質量を制御する方法などが知られているが、今回紹介する「WTH自動制御システム」は、錠剤の質量、厚み、硬度、および打錠圧力と杵先間隔との間に成立する夫々の相関関係を科学的に解明することで、錠剤の質量、厚み、硬度が目標値となるように自動的に制御するものである。
この制御方法により、従来にない究極的な錠剤特性の制御が期待される。”
15:10-17:10
錠剤および微粒子コーティング
高橋嘉輝
沢井製薬株式会社 上席執行役員生産本部副本部長兼製剤技術センター長
“コーティングは製剤設計全体の中では脇役でした。これは、錠剤には素錠も多いこと、また、コーティングの目的が味のマスキング、外観改善やハンドリングの改善といった薬としての機能に直接結びつかないものを目的としているためです。もちろん、腸溶性コーティングや徐放性コーティングなど製剤設計の主役になる場合もあります。しかし、近年、放出コントロールコーティング技術や微粒子コーティング技術の発展により、高度な機能を製剤に付加できるようになってきました。特に微粒子コーティングは製剤設計分野では最も進歩を遂げた技術です。頭で考えたようにはうまくいかないのが世の常です。失敗談ばかりになりそうですが、実施例を紹介します。”
プログラム:第3日 7/24(木)
10:15-12:15
User friendly製剤の開発設計 – 口腔内崩壊錠を例にして-
水本隆雄
アステラス製薬株式会社 技術本部 技術推進部
“新薬開発が困難を極め、経営の観点からも、製剤に期待されているLCMの貢献は増大している。本講演では、User Friendly製剤の観点から、開発した口腔内崩壊錠 WOWTAB技術について、開発研究時の実際のエピソードを交えて紹介する。その中で、ニーズの捉え方と早い開発がKeyになることを理解頂ければ幸いです。”
13:00-15:00
服用しやすい製剤と設計
福居篤子
株式会社龍角散 企画開発部 部長
“服用とは、どのような行為か。服用しやすいとは、どう評価すべきか。
服用しやすい製剤として、第16局より収載されている、OD錠、チュアブル錠、経口ゼリー剤、ガム剤など、新規な製剤技術を必要とするものから、創意と工夫により、服用しやすさを増すことができる製剤や、製剤工夫はせず、混ぜることにより服用を補助するゼリーなどがある。
製剤にとらわれず、患者目線で、服用しやすさに着目してみる。”
15:10-17:10
放出制御製剤の設計と製剤技術
吉野廣祐
神戸学院大学薬学部ライフサイエンス産学連携研究センター 客員特別研究員
“経口製剤は医療の場で最も高頻度で用いられる投与剤形であり、十分な治療効果と安全性を確保するためには、疾患の特徴、患者の病態、薬物の特性を良く考慮した製剤設計と使用法が要求される。すなわち、“必要な時間”に“必要な量”の薬物を“必要な部位”に送達するというDrug Delivery Systemの基本概念は経口薬物療法においてもそのまま当てはまる。今回の講義では経口DDS全般について製剤設計の進め方とそのベースとなる様々な放出制御技術を概説する。DDSはまさに製剤設計と製剤技術の調和であり、著者らの経験を通してその大切さを伝えたい。”
17:10-18:40
情報交換会
プログラム:第4日 7/25(金)
10:15-12:15
難水溶性薬物の製剤設計
沖本和人
東和薬品株式会社 取締役 執行役員 製剤技術本部長
“難水溶性薬物の可溶化技術は,長い歴史があり,多くの技術が開発されてきました.また最近,海外では固体分散体のような,古い可溶化技術の研究が見直されています.この背景には,低分子薬物の創出も益々難易度を増し,難水溶性薬物が増加していることから,再認識されているものと考えられます.今回,私が取り組んだ,それらの技術について,実際の開発例をもとに,工夫した点等を中心にご紹介したいと思います.若手研究員の今後の可溶化研究のご参考になれば幸甚です.”
13:00-15:00
医薬品トレーサビリティーにおける包装の役割
久保田 清
第一三共株式会社 製薬技術本部 製剤技術研究所・主任研究員
“本年の兼題として印刷・検査(包装)を頂きましたが、医薬品流通の安全性、医療過誤防止を目的とした包装表示の変革(グローバル)な動きが急なため、トレーサビリティーをメインに各種の印刷、通信、検査[AIDC 技術]とビッグデータを背景にした国家スケールでの医薬品管理システムについて紹介したいと思います。
この技術はシリアルの付番に始まりますが、パーソナルヘスルケアからソーシャルネットワーク、PHR(Personal Health Record)に展開する内容です。
世界的な高齢化社会化の中で発生する様々な問題に対して、これらの技術がどのような戦いを挑みつつあるかを、若手の製剤研究者に解説致します。”
15:10-17:10
GMPとは何か、考えてみよう。-医薬品製造と品質保証-
宮嶋勝春
武州製薬株式会社 製造技術部 部長
“医薬品は人の命に直結するものであり、その製造・品質は厳しく管理されなくてはならない。しかし、これまで多くの薬害が発生し、その反省から1962年に米国で最初のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)が作成された。GMPは医薬品製造の際に守らなければならない規則であるが、そこに“How to do”は記載されていない。そのため、各製造現場の実情に合わせて“How to do”を考えて行く必要がある。本講義では、GMP三原則を中心に歴史からGMPの具体的な中身について解説するとともに、査察における指摘事項を例にGMPの課題そして品質保証とは何かを参加者と一緒に考えたい。”
司会、情報交換会には「製剤技術伝承委員会」から製剤のエキスパートが参加し、話題を提供します。
- 各コマ内訳: 講義90分+討論30分
- 講義名・講師は予定。またプログラムは予告なく変更されることがあります。
- カメラ等の録画・録音機器の持ち込みは禁止とさせていただきます。
- プログラムは仮題であり、予告なく変更されることがあります。
参加区分と参加費
- 参加費には、全編または前後編の講義並びに懇親会への参加・テキストが含まれます。
- ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
- 参加登録フォームは、区分【A】【B】と区分【C】【D】【E】で異なりますのでご注意ください。
- 参加登録受付は学会支援機構のオンライン参加登録システム(SSL接続)を使用しています。
- 本学会会員(区分【A】【B】)の方は、登録時に「会員番号」「パスワード」が必要です。(ご不明の場合はこちら)
参加区分 | 参加費 | 参加登録フォーム |
---|---|---|
【A】本学会会員-企業所属 | 120,000円 | 区分【A】【B】での登録 >>> |
【B】本学会会員-大学・病院等所属 | 80,000円 | |
【C】本学会賛助会員企業社員 | 120,000円 | 区分【C】【D】【E】での登録 >>> |
【D】本学会非会員 | 150,000円 | |
【E】シミックグループ社員 | 80,000円 |
<キャンセルについて>
会期より1週間以内のキャンセルにつきましては、参加費を全額頂戴しますこと、予めご了承ください。
キャンセルが適正な時期に行われれば、キャンセル待ちの方にご参加いただける機会ができますので、このような措置を取らせていただくことになりました。ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、事前に代理出席を申請されている場合には、キャンセル扱いにはなりません。
ご出席について
また、当初お申込の方による当日のご出席が不可能な場合は、一定の条件(以下参照)を満たす代理人による出席を認めます。
代理人の条件等
参加区分【A】【B】
代理人の条件:本学会会員であること。
代理出席の方法:Emailによる事前申請が必要です。以下のフォームをメッセージ本文にペーストし、必要事項をご入力の上、
タイトルを「製剤技術伝承講習会代理出席申請書」として事務局までお送りください。
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(1)参加登録者の氏名: [ ]
(2)代理出席者の氏名: [ ]
(3)代理出席者の会員番号: [129- - ]
(4)代理出席を申請する講習会: 第[ ]日 / [ 月 日]開催分
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参加区分【C】【D】【E】
代理人の条件:同一企業社員
代理出席の方法:当日、会場受付に(1)当初登録の参加者の名刺と(2)代理出席者の名刺の両方を提出してください。
いずれの場合も、代理人は1日につき1名、全日程を通して2名までと致します。
お問合せ先
公益社団法人日本薬剤学会事務局
Phone: 03-5981-6018, Email: apstj [at] asas.or.jp