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会期
2015/1/22-23, 2/19-20(各、木・金)
会場
名城大学名駅サテライト
名古屋市中村区名駅3-26-8 名古屋駅前桜通ビル13階
ご案内
奥深い匠の技術と設計思想を学び、日本の技術力を更なる高みへ
薬事法改正を始めとする環境の変化に伴い、わが国で脈々と培われて来た製剤技術が散逸することが懸念される中、本学会では2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、製剤技術の伝承に努めて参りました。今回は「非経口製剤の製剤設計と製造法」をテーマに、様々な分野のエキスパートにご講演いただきます。奮ってご参加下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。
公益社団法人日本薬剤学会会長 山下伸二
製剤技術伝承委員会委員長 谷野忠嗣
本講習会はシミックホールディングス(株)の協賛を得て運営されております
プログラム:第1日 1/22(木)
10:15-12:15
経皮吸収型製剤の開発と将来展望
杉林堅次
城西大学 副学長
“経皮吸収型製剤は薬物の到達部位や吸収速度によって、外皮用剤と注射剤の中間に位置する製剤と考えることができる。経皮吸収型製剤の開発のためには、皮膚中の薬物拡散の原理と、薬物の皮膚透過速度の決定因子を知ることが必要で、それらと医薬品開発の現状に関する知識があれば、経皮吸収型製剤に適した薬物の選択が容易となる。また、経皮吸収型製剤自体に関する知識や、経皮吸収型製剤と医療機器との併用に関する課題も今後の経皮吸収型製剤の開発には重要となろう。もちろん、同時に、皮膚透過性や経皮吸収性の実験手法の確立も経皮吸収型製剤の開発では欠くことができない。
本講演では、経皮吸収型製剤の開発を念頭に置き、現状製剤の利点と問題点、さらに将来展望について考察する。
製剤技術への想い
日局16になって「皮膚に適用する製剤」が大変上手に説明された。しかし、従来型製剤のみを見ていたのでは、AZLAを創立したZaffaroni博士の夢を追随する研究者としては落第である。ないものをあるものとする知恵と努力が必要だ。我々には何が必要で、何をブレークスルーすればよいのか?毎日が試練である。”
13:00-15:00
医薬品外用剤(軟膏/クリーム/ローション剤)の設計とスケールアップ技術
堀沢栄次郎
マルホ株式会社 研究部 シニアリサーチマネージャー
“今日における医薬品外用剤の設計は,病気に有用な薬物を投与しやすくするという剤形付与の考え方から進展してきたが,近年では,アトピー性皮膚炎や乾癬などの病態皮膚に,直接塗布して治療する局所皮膚適用製剤の研究が中心として行われている.
そこで,講習会では,病態皮膚に適用するコンベンショナルな製剤「軟膏剤/クリーム剤/ローション剤」を処方化研究するときの基本的な考え方から始め,スケールアップ,プロセスバリデーションに至るまで,事例を基にした製剤設計法と,これに必要な製品化技術について,系統立てて説明したい.”
15:10-17:10
貼付剤の製剤設計とプロセス開発
寺原孝明
久光製薬株式会社 執行役員 研究開発本部 TDDS研究所 所長
“本来皮膚は、人間の体を守る目的で高いバリア機能を有しており、貼付剤(テープ剤、パップ剤)開発はそのバリア機能との闘いといっても過言ではありません。本講義の前半では、その製剤設計における留意点およびプロセス開発について解説します。また、後半は貼付剤にて限界のある薬物について、最近技術開発されている新しいデバイスの長所・短所を紹介し、将来医療現場で望まれている外用剤について一緒に考えてみたいと思います。この機会が皆様の製品開発の一助となれば幸いです。”
17:10-18:40
情報交換会
プログラム:第2日 1/23(金)
10:15-12:15
点眼剤総論
中田雄一郎
参天製薬株式会社 品質マネージメントグループ グループマネージャー
“講義は眼の構造と機能、薬物移行、点眼剤の処方開発、前眼部DDSを中心に進め、点眼剤独自の使用上の注意点についても言及します。また、よく議論になる防腐剤、配合剤についても説明します。点眼剤の製剤設計には添加剤の組み合わせや濃度などの処方設計、容器との組合せだけでなく、差し心地も重要です。難溶性で、不安定で、容器に吸着し易いなどの性質をもつ化合物が多いかと思いますが、そこを知恵で解決し、工業化に結びつけることのできる技術開発が求められていると考えています。”
13:00-15:00
医療ニーズに最適化した吸入システム
佐藤哲也
大塚製薬株式会社 製剤研究所製剤研究室第二室及び吸入研究室室長
“吸入剤は、主に気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患等の肺局所治療に用いられるが、全身治療を目的とした開発研究も進められている。本講義では、吸入剤の基礎、特徴、課題及びその解決策について解説する。また、製剤設計の具体例として、低分子医薬品に適したマルチドーズタイプのSwinghalerと高分子医薬品に適したユニットドーズタイプのOtsuka Dry Powder Inhalation(ODPI) システムとを紹介する。製剤は森羅万象の縮図と考えており、物性及び製造工程における原理・原則を理解して制御に努める事が重要である。自分の経験を若い研究者や技術者に伝えて活かしてもらえれば幸いと考える。”
15:10-17:10
バイオ医薬品の開発‐現状と将来展望‐
野村英昭
協和キリン富士フイルムバイオロジクス株式会社 代表取締役社長
“1980年代のインスリンおよび成長ホルモンに始まり最近の抗体医薬品に至るまでのバイオ医薬品の歴史について技術の進歩とともに振り返り、その上で現在の研究開発の現状と課題、そして将来展望について語る。またバイオ医薬品開発における製剤の役割についてもふれてみたい。
一般的にバイオ医薬品の研究開発における製剤技術ついてはあまり目立つことはないが、実は重要な役割を担っている。バイオ医薬品における製剤開発は一般的な低分子医薬品の製剤開発と比較すると、より原薬開発や臨床開発、さらにはマーケティング等と影響を及ぼしあう可能性が高い。バイオ医薬品を扱う製剤技術者には幅広い知識や他部門へ興味を持つといった意識を持って欲しい。”
プログラム:第3日 2/19(木)
10:15-12:15
注射剤総論
南 秀実
第一三共株式会社 製薬技術本部 製剤技術研究所 所長
“注射剤は皮膚もしくは粘膜を通して体内に直接注入して適用する無菌製剤であり、本製剤技術伝承講習会では、凍結乾燥製剤、無菌管理・バリデーション、無菌製剤工場の設計、DDS注射剤の設計、キット製品に関して、専門家の先生方が詳細に解説される予定です。本講義では、注射製剤を開発する上で必要な基礎について、医療現場を含めたニーズをどう反映していくかに触れながら論じる。”
13:00-15:00
凍結乾燥製剤化検討の実際
清水隆弘
アステラス製薬株式会社 製剤研究所 注射剤研究室
“凍結乾燥製剤の処方設計から生産移行にかけての経験に基づく実例を紹介するつもりです。私事ながら,このような一気通貫した製剤開発業務に携われた経験は何事にも変えられない宝だと思っています。皆さまとの技術交流を楽しみにしています。”
15:10-17:10
無菌医薬品製造 無菌管理・バリデーション
片山博仁
バイエル薬品株式会社 執行役員 プロダクトサプライジャパン本部長
“無菌医薬品製造には最終滅菌法と無菌操作法があり、その基本的な考え方をまとめる。無菌操作法は、微生物のコンタミネーションが無いということを、10-6のレベルで保証しなければならない。そのためには製造中に微生物が全く混入しなかったことを、バリデーションやモニタリングで証拠としなければならない。科学的な根拠が明確なものと、そうではないものがあり、整理を試みた。”
17:10-18:40
情報交換会
プログラム:第4日 2/20(金)
※プログラムの順番を変更致しました(2014/08/07)
10:15-12:15
キット製剤について ‐特に、輸液のキット化について‐
青木光夫
株式会社大塚製薬工場 信頼性保証本部 輸液情報センター 技術顧問
“キット製品について概説する。続いて、キット製品開発の具体的事例として、キット化することで初めて可能となった輸液製剤を、その開発までの思考の流れ を組み入れて紹介する。 大容量で、多成分の原薬からなる輸液製剤の特徴と製剤的制約をご理解いただくことで、輸液製剤は単に原薬を注射用水に溶かすだけではないことを汲み取って いただきたい。 現在の輸液キット製剤の医療現場での有用性と課題などについても触れてみたい。
今回のお話が、皆さんの今後の製剤設計上での工夫の新たなヒントに繋がれば幸いと思っている。”
13:00-15:00
長期徐放性注射剤の製造法とバイオ医薬品のDDS注射剤の開発
岡田弘晃
株式会社岡田DDS研究所 所長、 東京薬科大学 名誉教授
“世界の医薬品売上トップ10に7個のバイオ医薬品が占め、特に今後ペプチドや核酸を用いたバイオ創薬に大きな期待が寄せられている。これを可能にするには革新的DDS技術が必須であり、その実態を紹介する。また、すでに汎用されているペプチドの長期徐放性製剤については詳細を述べる。バイオ素材の物性、体内動態を熟知して、効果増強、副作用軽減、利便性の向上を追及するために、添加剤や製造機械の改良など、現状に囚われない積極的なアプローチが必要で、常に問題意識を持ち、何時も果敢に挑戦する研究者であって欲しい。”
15:10-17:10
無菌製剤工場の設計
中村健太郎
日揮株式会社 第3事業本部 産業システム設計部
“無菌製剤の製造プロセスの特徴、設備設計のポイント、アイソレータ/RABSの特徴、ゾーニング、バリアや更衣の機能などについて解説します。無菌コアを守るための様々な機能の組み合わせにより、無菌製剤工場は成り立っています。各々が持つ機能とその役割を正しく理解し、設計する側の視点も持てるようになっていただければ皆さんの視野が広がると思います。そうすれば普段お勤めされている工場の施設や設備についても、新たな発見があると思います。”
司会、情報交換会には「製剤技術伝承委員会」から製剤のエキスパートが参加し、話題を提供します。
- 各コマ内訳: 講義90分+討論30分
- 講義名・講師は予定。またプログラムは予告なく変更されることがあります。
- カメラ等の録画・録音機器の持ち込みは禁止とさせていただきます。
- プログラムは仮題であり、予告なく変更されることがあります。
参加区分と参加費
- カッコ内の金額は、前後編各2日間のみ参加の場合の参加費です。
- 参加費には、全編または前後編の講義並びに懇親会への参加・テキストが含まれます。
- ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
- 参加登録フォームは、区分【A】【B】と区分【C】【D】【E】で異なりますのでご注意ください。
- 参加登録受付は学会支援機構のオンライン参加登録システム(SSL接続)を使用しています。
- 本学会会員(区分【A】【B】)の方は、登録時に「会員番号」「パスワード」が必要です。(ご不明の場合はこちら)
参加区分 | 参加費 | 参加登録フォーム |
---|---|---|
【A】本学会会員-企業所属 | 120,000円 (80,000円) |
区分【A】【B】での登録 >>> |
【B】本学会会員-大学・病院等所属 | 80,000円 (50,000円) |
|
【C】本学会賛助会員企業社員 | 120,000円 (80,000円) |
区分【C】【D】【E】での登録 >>> |
【D】本学会非会員 | 150,000円 (90,000円) |
|
【E】シミックグループ社員 | 80,000円 (50,000円) |
<キャンセルについて>
会期より1週間以内のキャンセルにつきましては、参加費を全額頂戴しますこと、予めご了承ください。
キャンセルが適正な時期に行われれば、キャンセル待ちの方にご参加いただける機会ができますので、このような措置を取らせていただくことになりました。ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、事前に代理出席を申請されている場合には、キャンセル扱いにはなりません。
ご出席について
全講義の70%以上を受講された申込者に対し、講習会修了証書をご所属先上長様宛に送付致します。また、当初お申込の方による当日のご出席が不可能な場合は、一定の条件(以下参照)を満たす代理人による出席を認めます。
代理人の条件等
参加区分【A】【B】
代理人の条件:本学会会員であること。
代理出席の方法:Emailによる事前申請が必要です。以下のフォームをメッセージ本文にペーストし、必要事項をご入力の上、タイトルを「製剤技術伝承講習会代理出席申請書」として事務局までお送りください。
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(1)参加登録者の氏名: [ ]
(2)代理出席者の氏名: [ ]
(3)代理出席者の会員番号: [129- - ]
(4)代理出席を申請する講習会: 第[ ]日 / [ 月 日]開催分
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参加区分【C】【D】【E】
代理人の条件:同一企業社員
代理出席の方法:当日、会場受付に(1)当初登録の参加者の名刺と(2)代理出席者の名刺の両方を提出してください。
いずれの場合も、代理人は1日につき1名、全日程を通して2名までと致します。
お問合せ先
公益社団法人日本薬剤学会事務局
Phone: 03-5981-6018, Email: apstj [at] asas.or.jp