旭化成創剤研究奨励賞

旭化成創剤研究奨励賞は、製剤の機能化、最適な投与方法とそれに合った剤形開発、製剤の処方研究によって目標とする新規製剤の開発に顕著に貢献したものを対象とし、製剤の物性研究・設計・技術・試験法・包装・品質保証等、より直接的に製剤化に資する研究による応募を歓迎致します。(実用化が進んでいる創剤開発研究を優先致します。)なお、授賞は本学会通常総会にて行い、受賞者には受賞講演を行っていただきます。

国際的に高く評価され得る医薬品製剤の開発に必要な製剤化の新しい科学と技術の発展に顕著な功績を挙げた者または挙げつつある者を表彰する為、旭化成(株)の支援を得、従来学会賞として旭化成製剤学奨励賞を授与して参りましたが、これに代わり新たに旭化成創剤開発技術賞並びに旭化成創剤研究奨励賞を設定し、新規創剤研究の支援基盤をより強固にすることと致しました。

受賞者

年度 区分 受賞者/受賞内容
1994 本賞 新しい経口製剤開発のための粒子設計
竹内洋文(岐阜薬科大学薬学部)
助成金 Antigen蛋白質包含生体分解性マイクロスフェアーの調製と評価
内田享弘(九州大学薬学部)
助成金 製剤処方の定量的最適化法に関する研究
高山幸三(星薬科大学薬剤学教室)
助成金 高機能性シクロデキストリン誘導体の構築と薬物担体としての有効利用に関する研究
平山文俊(熊本大学薬学部)
1995 本賞 製剤処方最適化法の開発
高山幸三(星薬科大学薬剤学教室)
1996 本賞 造影剤封入大容量プラスチックプレフィルドシリンジの開発
菊池正彦(第一製薬(株)製剤研究所)
助成金 シクロデキストリンの医薬への有効利用に関する基礎研究
入江徹美(熊本大学薬学部)
助成金 固体分散系中の薬品の分子状態に関する研究
米持悦生(千葉大学薬学部)
助成金 長時間血中滞留型リポソームに関する研究
丸山一雄(帝京大学薬学部)
1997 本賞 薬物の経皮吸収と経皮吸収型製剤に関する研究
杉林堅次(城西大学薬学部)
助成金 時間制御型製剤(Time-controlled Explosion System: TES)の開発
上田 聡(藤沢薬品(株)工業化第一研究所)
助成金 ピレノキシンを主成分とする老人性白内障治療点眼剤の製剤設計に関する研究
太田淳稔・桑野光明(参天製薬(株)眼科研究本部)
助成金 生理活性ペプチドの経粘膜吸収性の改善に関する研究
山本 昌(京都薬科大学製剤学教室)
1998 本賞 ファモチジン口腔内崩壊錠の開発
正木勝広(山之内製薬(株)創剤研究所)
1999 本賞 液中乾燥法による医薬品のマイクロカプセル化
内田享弘(武庫川女子大学薬学部)
助成金 ウィスカー析出ならびにその防止に関する研究
湯浅 宏(東京薬科大学薬学部)
2000 本賞 固形製剤中の医薬品の結晶性質および分子間相互作用に関する研究
小口敏夫(千葉大学薬学部)
2001 本賞 経皮吸収の予測と最適化に関する理論基礎の構築
山下富義(京都大学大学院薬学研究科)
助成金 乳酸・グリコール酸共重合体ナノパーティクルの調製法の開発とデポ錠への応用に関する研究
村上秀樹(田辺製薬(株)製品技術研究所)
2002 本賞 医薬品の非晶質化と分子状態評価
米持悦生(東邦大学薬学部)
助成金 新規タンパク質微粒子化技術の開発と長期徐放性マイクロスフェア製剤への応用に関する研究
森田孝広(田辺製薬(株)創薬研究所)
2003 本賞 時限放出型製剤を用いた薬物相互作用の回避研究
澤田豊博(山之内製薬(株)創剤研究所)
助成金 敗血症治療薬としての新規リピドA誘導体注射剤の開発
浅井泰行(エーザイ(株)製剤研究所)
2004 本賞 シュガーレス薄層糖衣錠の開発
大森真治(武田薬品工業(株)ヘルスケア研究所)
助成金 高分子医薬の吸入剤の開発研究
岡本浩一(名城大学薬学部)
助成金 造粒とマイクロカプセル化の一貫操作による苦味マスキングを目的とした破裂型マイクロカプセルの開発に関する研究
植田眞澄(大日本製薬(株)技術研究センター)
助成金 高分子薬物送達における消化管吸収障壁の重要性をin vivoで検討する手法の開発
森下真莉子(星薬科大学薬剤学教室)
2005 本賞 持続吸収型経口徐放システムの開発研究
迫 和博(アステラス製薬(株)開発本部)
2006 本賞 嚥下補助ゼリーの開発
福居篤子((株)龍角散開発技術本部)
助成金 ナノ微粒子DDSの設計と製剤への応用
尾関哲也(東京薬科大学薬学部)
助成金 ナノテクノロジーを駆使した新規Drug Delivery Systemの開発研究
山口葉子(聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター)
2007 本賞 癌化学療法・放射線療法による口内炎発症予防を目的とした口腔内用製剤の開発
花輪剛久(山梨大学医学部付属病院薬剤部)
2008 本賞 ソフトマター物理からの新規Transdermal Delivery System “NANOCUBE®”の開発研究
山口葉子(聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター)
2009 本賞 平均粒子径を120μm以下にコントロールした新規なイトラコナゾール固体分散体を含む錠剤の製剤設計
大島孝雄(科研製薬(株)総合研究所)
2010 改組 旭化成創剤開発技術賞の新設に伴い、名称を旭化成創剤研究奨励賞に変更し助成金を廃止
  眼内移行性を改善したステロイド抗炎症薬ジフルプレドナートの乳剤点眼剤の製剤設計
山口正純(千寿製薬(株)コーベクリエイティブセンター)
  消化管生理機能を利用した微粒子製剤の開発
佐久間信至(摂南大学薬学部)
2011   PLGAナノ複合粒子を応用した新規育毛剤開発と実用化
原 香織(ホソカワミクロン(株)マテリアル事業本部)
2012   難水溶性薬物の結晶形制御と特殊製剤化法の開発
川上亘作(独立行政法人物質・材料研究機構生体機能材料ユニット)
2013   分子運動性・溶解性・吸収挙動の評価に基づく難溶性薬物の製剤開発
森部久仁一(千葉大学大学院 薬学研究院)
2014   非侵襲的な投与方法を可能とする微粒子DDS製剤の開発
田原耕平(岐阜薬科大学 製剤学研究室)
2015   シクロデキストリンをはじめとする機能性物質との相互作用評価に基づく難溶性薬物の製剤化
小川法子(愛知学院大学 薬学部)
  パーコレーション理論およびF-CAD(Formulation-Computer Aided Design)を用いた難水溶性薬物の錠剤処方設計
木村 豪(塩野義製薬株式会社 CMC開発研究所 製剤研究センター)
2016   マイクロ波を利用した新規口腔内崩壊生薬錠の開発に関する研究
岩尾康範(静岡県立大学 薬学部)
助成金 個別化医療に有用な刺激応答型DDS製剤の開発
田上辰秋(名古屋市立大学 大学院薬学研究科)
2017   がん性皮膚潰瘍臭改善薬メトロニダゾール外用製剤の市販化に至るまでのエビデンス構築
渡部一宏(昭和薬科大学 臨床薬学教育研究センター)
  自己微小乳化製剤のハイスル―プットフォーミュレーションスクリーニングシステムの開発
酒井憲一(中外製薬(株)生産工学研究部)
2018   噴霧急速凍結乾燥技術を基盤とした肺深部送達型吸入粉末剤の開発とその応用
奥田知将(名城大学薬学部)
2019   数値シミュレーションを利用した吸入粉末製剤の設計と服薬支援に関する研究
門田和紀(大阪薬科大学)
  生体適合性素材の自己組織化による標的化DDS製剤の開発
兒玉幸修(長崎大学病院薬剤部)
2020   分子複合体化による医薬品物性向上ならびに経皮吸収製剤への応用
古石誉之(星薬科大学薬学部)
2021   Nose to brain drug delivery を利用した経鼻投与型製剤開発に向けた研究
井上大輔(立命館大学薬学部)
2022   免疫疾患治療根治に向けた標的化DDS創薬研究
清水広介(浜松医科大学光尖端医学教育研究センター)
  アルブミンの体内動態特性に基づくDDSキャリアの開発に関する研究
異島 優(徳島大学大学院医歯薬学研究部)
2023   受賞なし
2024   局所皮膚適用製剤に向けた高分子量ヒアルロン酸の角層導入技術の構築
藤井美佳((株)資生堂 みらい開発研究所 シーズ開発センター)
溶融造粒による新規薬物含有粒子製造技術(MALCORE®)の開発
吉原尚輝(沢井製薬(株) 研究開発本部 製剤研究部)
助成金 医薬品製造のための乾式造粒・コーティング技術の開発
近藤啓太(名城大学薬学部製剤学研究室)

協賛について

旭化成創剤研究奨励術賞は、旭化成(株)の協賛を得て運営されております。