第13回シミック製剤技術アカデミー/APSTJ製剤技術伝承講習会: 2013/6/20-7/26

2013-06-20 10:002013-07-26 16:55名城大学名駅サテライト ical Google outlook

このページの目次

会期

2013/6/20-21, 7/25-26(各、木・金)

会場

名城大学名駅サテライト
(名古屋市中村区名駅3-26-8 名古屋駅前桜通ビル13階)

ご案内

奥深い匠の技術と設計思想を学び、日本の技術力を更なる高みへ

薬事法改正を始めとする環境の変化に伴い、わが国で脈々と培われて来た製剤技術が散逸することが懸念される中、本学会では2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、製剤技術の伝承に努めて参りました。今回は「固形製剤の製剤設計と製造法」をテーマに、様々な分野のエキスパートにご講演いただきます。奮ってご参加下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。

公益社団法人日本薬剤学会会長 原島秀吉

製剤技術伝承委員会委員長 吉野廣祐

本講習会はシミックホールディングス(株)の協賛を得て運営されております

プログラム:第1日 6/20(木)

10:00-12:00
製剤設計・LCM戦略総論~今、製剤研究者がやるべきこと~

岩本 清
エーザイ株式会社 PC本部日本サイトマネジメント部 部長・理事

“本講義では製薬企業の「製剤設計・LCM」は、「もの作り」という本来の目的に加えて、製薬企業の「経営戦略」の重要要素の一つへ大きく変貌してきていることを例示し、それを踏まえた上で製剤設計・LCM製剤開発において取るべき戦略をスピード、低コスト、成功確度、多様なニーズに応えるという観点から演者の経験や考えを述べたい。さらに製剤設計の戦略として考慮すべき最近のレギュレーションとその対応についても考え方を紹介する。「創剤」は顧客(特に患者様)に想いを馳せる「想剤」でなければならないと思う。製剤設計には顧客の真のニーズをキャッチし、技術で応えるという顧客への想いが入ってなければならないこと、最初に目標として立てた製剤機能のエンドポイントを妥協せず粘り強く達成する努力をし、何でも浸み込むように吸収できる若い時こそ、高い技術力と知識、見識、胆識を身に付けてほしいことを若い製剤研究者の方々に伝えたい。”


12:45-14:45
原薬物性の評価と製剤開発

北村 智
アステラス製薬株式会社 技術開発推進部

“製剤の開発にあたっては化合物の薬理、安全性、薬物動態に加え、原薬の物理化学的性質が重要な情報となっている。そこで、本講演では原薬物性が経口製剤の溶出性や安定性などの製剤特性に及ぼす影響、並びに製剤化工程中における原薬の存在状態を評価するための分析技術について解説する。高機能化する製剤を科学的に開発するには、各工程ごとに原薬や賦形剤の存在状態や相互作用などの物性評価が重要であり、その役割が益々大きくなっていくと考えている。”


14:55-16:55
吸収性評価/製剤設計と製剤のBA/BE

村主教行
塩野義製薬株式会社 CMC開発研究所 製剤研究センター

“医薬品の使命は,病気を治療することである.原薬だけでは単なる化合物であり,製剤にすることによって医薬品となる.薬物の特性に応じて剤形を選び,その薬理活性が充分に発揮されるように製剤設計する.製剤の視点からは,薬物(有効成分)を作用部位に送達させる能力が製剤のbioavailability(能力) (BA)であり,製剤の病気を治療する能力とも考えることができる.製剤を造るとき,BAが変わらないように製造しなければならない.これが生物学的同等性 (Bioequivalence, BE) を担保するということになる.製剤を造るというのは,製剤に治療能力を込めることであると考えています.”


16:55-18:25
情報交換会

プログラム:第2日 6/21(金)

10:00-12:00
経口放出制御製剤の設計

迫 和博
アステラス製薬株式会社 製剤研究所 所長

“経口放出制御製剤は、薬理効果増強や副作用軽減等の直接的な臨床上のメリットだけではなく、服用アドヒアランス改善等を含めて、製品価値向上につながる可能性が高い。しかしながら、消化管を下降しながら異なる環境下で薬物放出する経口剤はin vitro における製剤設計が必ずしも in vivoでの薬物吸収挙動を反映しないケースが多い。

本講演では、我々が開発した持続吸収型経口徐放システムOCAS®の開発経緯と製品化(Omnic OCAS®)を具体例の一つとして、徐放製剤を開発する場合の課題や留意点につき紹介することで、今後の研究や開発の一助となればと考える。”


12:45-14:45
経口固形製剤の製剤設計とスケールアップ技術

谷野忠嗣
塩野義製薬株式会社 CMC開発研究所 製剤研究センター長

“経口製剤の製剤設計には、薬物の特性に応じて個々のケーススタディが必要となることが多い。スケールアップにおいても製剤特性により、様々な問題に直面することが多い。これらに即応できる製剤技術は簡単に身につくものではなく、日ごろの研究活動や職場の上司や先輩の指導を通じて獲得されてゆくものである。また一方、講演会やセミナーなどに積極的に参加し、すでに実用化された技術などを学習することも有用である。本講義では経口製剤の製剤設計やスケールアップに関してできるだけ多くの実例により、問題の発生原因とその対策について紹介したいと考えている。”


14:55-16:55
コーティング作業者の製剤技術 錠剤のFilm Coating

大谷茂義
ニプロKK 医薬品研究所

“本製剤技術の技術伝承の講演会で6回も講演をさせて頂くことになった。

「流動層造粒」「撹拌造粒」「異物混入交叉汚染防止対応」「打錠障害」「フィルムコーティング」などである。

今回も製造現場における「フィルムコーティングの製造条件の設定法、フィルムコーティングの不良錠、種々のフィルムコーティング機の特徴」など製造現場の作業者が技術を伝承しておくべき要件について述べる。”

プログラム:第3日 7/25(木)

10:00-12:00
クスリ新時代を拓いた 口腔内崩壊錠 ―経口剤の主流へ―

増田義典
耕薬研究所 代表

“口腔内崩壊錠は、クスリ新時代を拓いた、拓きつつある製剤であると思慮する。口腔内崩壊錠の黎明から進化、そして深化への潮流と技術の概要についてエピソードを交えて紹介する。

“未来は創るもの“”健康へのアシスト“の考え方で口腔内崩壊錠を日本発のグローバル製剤としたいもの。”


12:45-14:45
医薬品添加剤 医薬品の製造における高分子添加剤セルロース 誘導体について

小久保宏恭
信越化学工業株式会社 合成技術研究所 室長

“セルロース誘導体は固形製剤の製造にバインダーからコーティング剤まで幅広く活用されています.一般的な適用事例とkey pointを判りやすく解説すると共に,着目すべき適用例を紹介します.また,近年,難溶性薬物の溶解性改善の手法の一つとして注目されている固体分散体への応用について,活用事例を交えてポリマーの特徴を紹介します.

医薬品添加物の多くは天然又は合成高分子から成り立っています.高分子としての様々な特性を製剤開発に役立てて頂ければ幸いです.”


14:55-16:55
製剤の苦味評価の基礎と苦味マスキング

岩田基数
大日本住友製薬株式会社 技術研究本部 製剤研究所

“口腔内崩壊錠をはじめ、液剤、ゼリー剤など服用しやすい製剤へのニーズは益々高まってきている。近年、技術の進歩により製剤自体の基本的な性能はほぼ満足のいくものが得られるようになった。これに伴い、薬物の味(特に苦味)の問題は大きくクローズアップされるようになり、現在では、より服用しやすい製剤を目指して、各社が独自の工夫により味のマスキング技術を競い合うまでになった。医薬品において、その味は例外的に当局の規制がない品質であり、研究の対象としても自由度が高い。言い換えれば製剤研究者の腕の見せ所でもある。本講義では、薬物の官能試験を中心とする苦味評価法とともに、製剤化による苦味マスキング法についても事例を用いて紹介する。今後も、若い研究者のユニークな発想による優れたマスキング技術が、更なる製剤技術の発展に貢献することを期待しています。”


16:55-18:25
情報交換会

 

プログラム:第4日 7/26(金)

10:00-12:00
微粒子コーティング技術

福森義信
神戸学院大学 薬学部 教授 薬学部長

“かつて、微粒子のコーティングは100 µm以下の粒子に対しては不可能と思われてきた。近年、そのような微粒子のコーティングも普通に行われるようになったように見える。何がそれをそうさせたのか?不可能なことは不可能であるが、モノが作られている過程を丁寧に考察し、課題を克服する対策を科学的に講ずることによって、意外に道が開けることも多い。この講義では、コーティング技術を例にとり、そのような経験について述べる。”


12:45-14:45
医薬品の包装設計 ―製剤化方略の中の新包装技術―

久保田 清
第一三共株式会社 製薬技術本部 製剤技術研究所・主任研究員

“包装の本質は”変化”と言われるが、様々な包装コンテンツの中で特に変化の顕著なもの、または医療環境の変化に伴い進化すべきものについて取り上げ紹介する。製剤技術と関連する分野または包装特有※の技術など、製剤技術研究の一助となれば幸いである。

※ICT、シミュレーション技術、エルゴノミクスなどの周辺技術との調和

セルフメディケーションを支援する包装技術”


14:55-16:55
次世代型製剤に求められる臨床的機能性

並木徳之
静岡県立大学薬学部・薬食生命科学総合学府薬学研究院・教授

“臨床では、主薬、含有量が同一であって生物学的同等性が立証された医薬品を使用しても、製剤の違いによって治療効果が異なるケースは当たり前のように散見する。また、主薬が異なる医薬品のなかでも、強い薬効の薬剤を含有する医薬品が全て優位な治療効果を示すとは限らない。期待する治療効果が得られる可能性を高めるために、製剤技術は大きな役割を担ってきた。とくに治療効果を左右する決定的な要因として患者のアドヒアランスが挙げられ、これを向上させることが医療現場からの大きな製剤ニーズとなってきている。講義ではアドヒアランスの向上に必要な「次世代型製剤に求められる臨床的機能性」について解説する。”

司会、情報交換会には「製剤技術伝承委員会」から製剤のエキスパートが参加し、話題を提供します。

  1. 各コマ内訳: 講義90分+討論30分
  2. 講義名・講師は予定。またプログラムは予告なく変更されることがあります。
  3. カメラ等の録画・録音機器の持ち込みは禁止とさせていただきます。
  4. プログラムは仮題であり、予告なく変更されることがあります。

参加区分と参加費

  1. 参加費には、全編または前後編の講義並びに懇親会への参加・テキストが含まれます。
  2. ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
  3. 参加登録フォームは、区分【A】【B】と区分【C】【D】【E】で異なりますのでご注意下さい。
  4. 参加登録受付は学会支援機構のオンライン参加登録システム(SSL接続)を使用しています。
  5. 本学会会員(区分【A】【B】)の方は、登録時に「会員番号」「パスワード」が必要です。(ご不明の場合はこちら
参加区分 参加費 参加登録フォーム
【A】本学会会員-企業所属 120,000円 区分【A】【B】での登録 >>>
【B】本学会会員-大学・病院等所属 80,000円
【C】本学会賛助会員企業社員 120,000円 区分【C】【D】【E】での登録 >>>
【D】本学会非会員 150,000円
【E】シミックグループ社員 80,000円

<キャンセルについて>

会期より1週間以内のキャンセルにつきましては、参加費を全額頂戴しますこと、予めご了承ください。

キャンセルが適正な時期に行われれば、キャンセル待ちの方にご参加いただける機会ができますので、このような措置を取らせていただくことになりました。ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

なお、事前に代理出席を申請されている場合には、キャンセル扱いにはなりません。

ご出席について

また、当初お申込の方による当日のご出席が不可能な場合は、一定の条件(以下参照)を満たす代理人による出席を認めます。

代理人の条件等

参加区分【A】【B】

代理人の条件:本学会会員であること。

代理出席の方法:Emailによる事前申請が必要です。以下のフォームをメッセージ本文にペーストし、必要事項をご入力の上、タイトルを「製剤技術伝承講習会代理出席申請書」として事務局までお送り下さい。

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(1)参加登録者の氏名: [       ]

(2)代理出席者の氏名: [       ]

(3)代理出席者の会員番号: [129-   -    ]

(4)代理出席を申請する講習会: 第[  ]日 / [  月  日]開催分

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参加区分【C】【D】【E】

代理人の条件:同一企業社員

代理出席の方法:当日、会場受付に(1)当初登録の参加者の名刺 と (2)代理出席者の名刺の両方を提出して下さい。

いずれの場合も、代理人は1日につき1名、全日程を通して2名までと致します。

お問合せ先

公益社団法人日本薬剤学会事務局
Phone: 03-5981-6018, Email: apstj [at] asas.or.jp