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会期
2016/1/21-22, 2/18-19(各、木・金)
会場
名城大学名駅サテライト
名古屋市中村区名駅3-26-8 名古屋駅前桜通ビル13階
ご案内
奥深い匠の技術と設計思想を学び、日本の技術力を更なる高みへ
薬事法改正を始めとする環境の変化に伴い、わが国で脈々と培われて来た製剤技術が散逸することが懸念される中、本学会では2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、製剤技術の伝承に努めて参りました。今回は「非経口製剤の製剤設計と製造法」をテーマに、様々な分野のエキスパートにご講演いただきます。奮ってご参加下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。
公益社団法人日本薬剤学会会長 山下伸二
製剤技術伝承委員会委員長 谷野忠嗣
本講習会はシミックホールディングス(株)の協賛を得て運営されております
プログラム:第1日 1/21(木)
10:15-12:15
無菌製剤総論 ‐注射剤を中心に‐
南 秀実
第一三共株式会社 製薬技術本部 製剤技術研究所 所長
“代表的な無菌製剤には、注射剤、点眼剤、眼軟膏剤がある。注射剤は皮膚もしくは粘膜を通して体内に直接注入して適用する無菌製剤であり、点眼剤、眼軟膏剤はそれぞれ眼組織に適用する液状又は用時溶解、用時懸濁して用いる無菌製剤、半固形の無菌製剤である。本製剤技術伝承講習会では、抗体医薬品、注射剤の製造管理・バリデーション、キット製品、凍結乾燥製剤、、無菌環境への対応、点眼剤、点鼻・点耳剤、半固形製剤、貼付剤、無菌製剤工場の設計に関して、専門家の先生方が詳細に解説される予定です。本講義では、注射剤を中心に開発する上で必要な基礎について、医療現場のニーズをどう反映していくかにも触れながら論じる。”
13:00-15:00
抗体医薬品の製剤設計
山崎忠男
中外製薬株式会社 製薬本部生産工学研究部製剤2グループマネージャー
“一般に抗体医薬品は,高含量製剤の開発が必要です。製剤設計では,会合体の抑制および不溶性異物(あるいは,不溶性微粒子)の抑制,製造プロセスにおけるハンドリング方法の確立が開発の重要な鍵になります。本報では,抗体医薬品の処方・品質設計,容器設計,製法設計について概要を紹介します。慢性疾患領域に限らず,がん疾患領域の患者さんも,近い将来,在宅治療する時代を迎えるかもしれません。医療従事者の方々や患者さん,介護する家族の皆さま方のコンプライアンスが向上できる製剤開発を進めていきたいと思います。”
15:10-17:10
無菌医薬品製造 無菌管理・バリデーション
片山博仁
バイエル薬品株式会社 執行役員 プロダクトサプライジャパン本部長
“注射剤の無菌管理について、今知られている科学的な事実、考え方の整理と、将来の変化への備えを、技術伝承という立場から著者なりに解説したい。技術をリードしようとすると、アイデアと実行力が重要になる。講演では知識のまとめというよりは、様々な答えのない場面で、どのような姿勢で取り組むのかという事例を紹介したい。無菌管理技術の問題は、時には時間をかけて、根本的なところから解決しようとすることが大切と感じる。”
17:10-18:40
情報交換会
プログラム:第2日 1/22(金)
10:15-12:15
医薬品キット製剤開発の要件と課題、トレンド
岩佐昌暢
ニプロ株式会社 取締役 医薬事業部 医療システム開発部長兼管理部長
“1990年代から2000年代初期にかけて、国内では多くのキット製剤が上市されてきました。しかしながら、少子高齢化に伴う国民医療費増のなか、医療用医薬品のジェネリック促進、長期収載医薬品の使用量減少等、医薬品産業を取り巻く環境は大きく変化しています。医療従事者はもとより患者への利便性が高く、医薬品の商品力を大きくUPするキット製品の現状、課題から今後のトレンドを模索いたします。”
13:00-15:00
凍結乾燥製剤総論と蛋白質製剤の開発事例
横田祥士
アステラス製薬株式会社 執行役員 技術本部 技術推進部 部長
“近年、遺伝子組み換え技術により多くのタンパク質製剤が開発されてきました。しかし、タンパク質特有の性質の為に製剤開発には低分子化合物とは異なる種々の留意すべき課題も認識されて来ています。本講義ではタンパク質凍結乾燥製剤を中心に再溶解時の課題等、開発段階で直面した事例を紹介しながら製剤の重要性、魅力そして難しさをお伝えできればと思います。”
15:10-17:10
無菌環境への対応とアイソレータ技術の進展
谷本和仁
澁谷工業株式会社 製薬設備技術部 次長
“最終滅菌ができない無菌医薬品は無菌操作により製造され、専用のクリーンルームやアイソレータを含めたバリアシステムを用いて行なう。製剤技術の1つとして、アイソレータは各局のレギュレーションにも記載されており、無菌環境を創出する技術として認知されており、今後ますます発展を続けると推察される。抗ガン剤などの無菌医薬品や再生医療等製品の製造の場合、高度な無菌性と作業者の安全を考慮した設備構築の必要がり、アイソレータシステムによる応用事例が増えてきている。今回の講義においては、アイソレータ技術を中心として無菌の管理と運用などについて述べたい。”
プログラム:第3日 2/18(木)
10:15-12:15
点眼剤の設計
中田雄一郎
参天製薬株式会社 品質マネージメントグループ グループマネージャー
“講義は眼の構造と機能、薬物移行、点眼剤の処方開発、前眼部DDSを中心に進め、点眼剤独自の使用上の注意点についても言及します。また、よく議論になる防腐剤と生物学的同等性、さらに点眼剤特有の差し心地についても説明します。難溶性で、水溶液中で不安定な候補化合物が多いかと思いますが、そこを知恵と工夫で解決し、製品化に結びつけることのできる技術開発が求められていると考えています。”
13:00-15:00
点鼻剤・点耳剤の製剤設計
牧野悠治
武蔵野大学 客員教授
“講義では、点鼻剤、点耳剤の製剤設計の基礎を演者の経験(失敗経験)を交えて解説します。特に、これらの経路からの薬剤送達に立ちはだかる生体側の障壁とその回避法について詳しく紹介します。また、点鼻剤では投与デバイスが薬剤の沈着部位だけではなく、患者の受容性を決定しますので、これまでの開発例を丁寧に解説します。
現在も実験室でベンチャー企業の若手研究者と一緒に手を動かし、結果に一喜一憂していますが、この楽しさを少しでも多くの若い人に伝えていきたいと思っています。”
15:10-17:10
無菌製剤工場の設計留意ポイントについて
~試運転・バリデーションフェーズでのトラブル回避のために~(仮題)
田中 孝
千代田化工建設株式会社 医薬品プロジェクトセクション
“ここ20年間の技術革新は、製造プロセスの変化やバリデーション手法の淘汰変遷を生み、現在も進歩を続けています。そのスピードは工場のライフサイクルに比して早すぎるとも言えます。しかしどれほど最先端の設備を揃えようと使い方が悪ければ機能しません。無菌製剤工場を設計する上でトラブルを少なくするためにどのような視点を養うべきか、できるだけ具体例を交えてお話し、皆様のお仕事の品質向上に少しでも役立てればと思います。”
17:10-18:40
情報交換会
プログラム:第4日 2/19(金)
10:15-12:15
医療ニーズに最適化した吸入システム
佐藤哲也
大塚製薬株式会社 製剤研究所製剤研究室第二室室長
“吸入剤は、主に気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患等の肺局所治療に用いられるが、全身治療を目的とした研究も進められている。本講義では、吸入剤の基礎、特徴、課題及びその解決策について解説する。また、製剤設計の具体例として、低分子医薬品に適したマルチドーズタイプのSwinghalerと高分子医薬品に適したユニットドーズタイプのOtsuka Dry Powder Inhalation (ODPI) システムを紹介する。製剤は森羅万象の縮図であり、物性及び製造工程における化学的物理的な原理・原則を理解して、直面する現象の制御に努める事が重要である。自分の経験を若い研究者や技術者に伝えて活かしてもらえれば幸いと考える。”
13:00-15:00
半固形製剤の開発・実践製剤設計
稲木敏男
興和株式会社 富士研究所 ライフサイエンス事業部管掌
東京理科大学客員教授
“演者は、大学時代に物理化学を専攻し、入社以来、製剤の研究開発に従事し、製剤設計の基本から申請まで行ってきた。本講義においては、薬品の研究開発並びに実践製剤設計の観点から演者が経験した製剤を中心に述べるが、努力した製品も商品として市場に出せなければ健康への貢献は成しえない。努力を実らせるには、最新の技術、理論も重要であるが、ユーザーの要望を製剤設計に十分反映しなければならない。また、半固形剤の製剤設計に必要な要因は、クリーム剤のみならず貼付剤は勿論の事、固形剤にまで通じる技術となりうる事を理解して頂きたいと思っている。”
15:10-17:10
経皮吸収型製剤の製剤設計
松原智子
一般財団法人 阪大微生物病研究会 開発保証部 開発保証課
“経皮吸収型製剤は皮膚を通して有効成分を全身循環血流に送達させることを目的とした貼付剤であり、その特徴からDDSの一つとして注目されている。しかしながら、皮膚最外層にはバリア機能として働いている角層が存在しているため,対象薬物が制約されるなどの課題も有している。また、製剤処方設計の点では添加物における制約が大きいことなどが指摘されている。本講習会では、経皮吸収型製剤の有用性と制約を考察し、製造方法の概論を含め、経皮吸収型製剤の処方開発を中心に製剤開発の取り組みについて述べる。併せて、局方改正案から貼付剤の品質試験法についてまとめてみたい。”
司会、情報交換会には「製剤技術伝承委員会」から製剤のエキスパートが参加し、話題を提供します。
- 各コマ内訳: 講義90分+討論30分
- 講義名・講師は予定。またプログラムは予告なく変更されることがあります。
- カメラ等の録画・録音機器の持ち込みは禁止とさせていただきます。
- プログラムは仮題であり、予告なく変更されることがあります。
参加区分と参加費
- カッコ内の金額は、前後編各2日間のみ参加の場合の参加費です。
- 参加費には、全編または前後編の講義並びに懇親会への参加・テキストが含まれます。
- ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
- 参加登録フォームは、区分【A】【B】と区分【C】【D】【E】で異なりますのでご注意ください。
- 参加登録受付は学会支援機構のオンライン参加登録システム(SSL接続)を使用しています。
- 本学会会員(区分【A】【B】)の方は、登録時に「会員番号」「パスワード」が必要です。(ご不明の場合はこちら)
参加区分 | 参加費 | 参加登録フォーム |
---|---|---|
【A】本学会会員-企業所属 | 120,000円 (80,000円) |
区分【A】【B】での登録 >>> |
【B】本学会会員-大学・病院等所属 | 80,000円 (50,000円) |
|
【C】本学会賛助会員企業社員 | 120,000円 (80,000円) |
区分【C】【D】【E】での登録 >>> |
【D】本学会非会員 | 150,000円 (90,000円) |
|
【E】シミックグループ社員 | 80,000円 (50,000円) |
<キャンセルについて>
会期より1週間以内のキャンセルにつきましては、参加費を全額頂戴しますこと、予めご了承ください。
キャンセルが適正な時期に行われれば、キャンセル待ちの方にご参加いただける機会ができますので、このような措置を取らせていただくことになりました。ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、事前に代理出席を申請されている場合には、キャンセル扱いにはなりません。
ご出席について
全講義の70%以上を受講された申込者に対し、講習会修了証書をご所属先上長様宛に送付致します。また、当初お申込の方による当日のご出席が不可能な場合は、一定の条件(以下参照)を満たす代理人による出席を認めます。
代理人の条件等
参加区分【A】【B】
代理人の条件:本学会会員であること。
代理出席の方法:Emailによる事前申請が必要です。以下のフォームをメッセージ本文にペーストし、必要事項をご入力の上、タイトルを「製剤技術伝承講習会代理出席申請書」として事務局までお送りください。
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(1)参加登録者の氏名: [ ]
(2)代理出席者の氏名: [ ]
(3)代理出席者の会員番号: [129- - ]
(4)代理出席を申請する講習会: 第[ ]日 / [ 月 日]開催分
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参加区分【C】【D】【E】
代理人の条件:同一企業社員
代理出席の方法:当日、会場受付に(1)当初登録の参加者の名刺と(2)代理出席者の名刺の両方を提出してください。
いずれの場合も、代理人は1日につき1名、全日程を通して2名までと致します。
お問合せ先
公益社団法人日本薬剤学会事務局
Phone: 03-5981-6018, Email: apstj [at] asas.or.jp