第33回シミック製剤技術アカデミー/APSTJ製剤技術伝承講習会

2024-07-04 11:002024-07-05 17:10名古屋市 名城大学ナゴヤドーム前キャンパス ical Google outlook
主催 公益社団法人日本薬剤学会 製剤技術伝承委員会
協賛 シミックCMO株式会社

会期・会場

  会期 会場
第1部 2024年7月4日(木)~5日(金)
名城大学ナゴヤドーム前キャンパス西館レセプションホール
(名古屋市東区矢田南 4-102-9)
https://www.meijo-u.ac.jp/about/campus/dome.html
アクセス
JR中央本線・名鉄瀬戸線「大曽根」駅下車 徒歩約10分。
JR中央本線・名鉄瀬戸線「大曽根」駅下車 徒歩約10分。
地下鉄名城線 「ナゴヤドーム前矢田」駅下車2番出口 徒歩約3分。
ゆとりーとライン「ナゴヤドーム前矢田」駅から徒歩約5分
第2部 2024年10月3日(木)~4日(金)
第3部 2024年12月19日(木)~20日(金)

製剤技術伝承講習会へのご案内

理論と経験に裏付けられた匠の技術と設計思想を継承し、日本の製剤技術力の更なる飛躍のために

医薬品産業を取り巻く環境の著しい変化に伴い、わが国で脈々と培われて来た製剤技術が十分に伝承されず散逸することが懸念される中、本学会では2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、長年にわたって発展してきた製剤技術の伝承に努めて参りました。今回は「経口製剤・非経口製剤の製剤設計と製造法」をテーマに7月、10月、12月の3部構成と致しまして、それぞれのエキスパートからご講演をいただきます。奮ってご参加下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。

製剤技術伝承委員長 米持悦生

プログラム(内容は変更の場合があります。)

第1部

会場: 名城大学ナゴヤドーム前キャンパス西館レセプションホール

7/4(木)

日程 演題 講師
AM
11:00-13:00
「固形製剤総論 ―剤形設計から製造プロセスまで―」 竹内洋文
(岐阜薬科大学)
製剤設計を扱う「製剤学」は医薬品とヒトとの接点に関わる学問です。有効性が最大限に発揮でき、安全かつ安心な薬物投与・治療を具現化することが目標です。そのために、モノとしての医薬品の物性を理解して、ヒトに投与する最適な剤形設計を検討することが重要です。また、申請して承認を得る必要があると言う、他のモノづくりと異なる点があることも理解する必要があります。製剤設計に直接携わる研究・技術者はもちろん、製造、品質管理に関わる皆さんに、これらの点を踏まえて、製剤に関する情報提供をしたいと思います。
PM-1
14:00-16:00
「経口製剤設計における原薬物性評価」 我藤勝彦
(大塚製薬株式会社)
製薬メーカーは「患者さんに医薬品を安定的に提供する」という社会的責務を負っている。この責務を果たすための基礎となる研究が,医薬品原薬や製剤の本質を知るための「物性評価・特性解析」であると考える。本講義においては,原薬物性評価における各種評価手法,原薬形態の選定の概要について解説する。
PM-2
16:10-18:10
「QbDに基づく固形製剤のプロセス開発と高度管理戦略の構築」 土肥優史
(アステラス製薬株式会社)
Quality by Design(QbD)に基づく固形製剤のプロセス設計においては,段階的なリスクアセスメントの実施,実験計画法等による客観的評価,データに基づく適切な管理戦略の設定が重要であり,実例を交えて紹介する。また,高度な管理戦略の構築についてPATによる重要品質モニタリング,データマイニングによる商用生産時のデータ収集と解析手法について具体的な取り組みを解説する。これらの事例を通じて,如何にして先端技術を医薬品製剤の安定生産・継続的改善に繋げていくことができるか,聴講者の皆様と一緒に考えていきたい。

7/5(金)

日程 演題 講師
AM
10:00-12:00
「打錠機構の理解と打錠障害の解決事例」 杉野唯衣
(シオノギファーマ株式会社)
製剤設計やスケールアップ時に発生する打錠障害や打錠トラブルの対策として,製剤処方や製造設備の改良が挙げられます.開発後期にトラブルが発生した場合には,製剤処方を変更することは難しく,製造設備の改良や設定条件の最適化で解決する必要があり,そのためには打錠機構を十分に理解しておく必要があります.また,打錠障害の発生メカニズムの理解やその対策に関する知識は,トラブル発生時だけではなく,新規製品の製剤設計や製品立ち上げの際に非常に役立ちます.本講演では,打錠機構の理解を深めるために実施した検討や,打錠障害の対応事例についてご紹介します.
PM-1
13:00-15:00
「プロセスシステムエンジニアリングを用いた連続生産の制御最適化」 無敵幸二
(Pfizer Global Supply Japan Inc)
ここ数年、欧米の大手製薬会社を中心として、連続生産方式への取り組みが加速化している。バッチ生産方式に比べて、開発コストの削減や各種バリデーションでのスピード化、生産量調整のフレキシビリティ向上、また臨床試験段階から生産スケールまで同一装置で行うためスケールアップなくなることでのTech Transfer削減メリットなど、多くの利点がある。一方で、連続的に品質管理を行う必要性からProcess Analytical Technology (PAT)や計算科学モデルの導入、フィーダープロセスの厳格なコントロールなど、バッチ方式ではあまり経験のなかった新たな技術分野(プロセスシステムエンジニアリング)の導入が必要となっている。当報告では、ファイザーで行っている連続生産プロジェクトの概要と、実際の開発製造プロセスの運用方法などについて報告する。
PM-2
15:10-17:10
「医薬における粒子コーティング」 岩田基数
(シミックCMO株式会社)
粒子へのフィルムコーティングは、通常、水溶性あるいは非水溶性の高分子等を用いて内容物を周囲の環境から物理的に遮蔽することにより、内包された活性成分の安定化を含む保持能力の向上を目的とする。具体的には、遮光による内容物の光安定性の向上や共存する物質との相互作用の抑制、更に医薬品であれば服用後の薬物の苦味のマスキングや徐放化、消化管内における酸や酵素に対する安定性の向上、などがその例であり、これらの組合せも含めて粒子に新たな機能(価値)を付与することが可能である。本講義では、スプレー法による湿式フィルムコーティングを主として取り上げ、粒子のフィルムコーティングに関する理論とその実例について紹介する。

第2部

会場: 名城大学ナゴヤドーム前キャンパス西館レセプションホール

10/3(木)

日程 演題 講師
AM
11:00-13:00
「創薬研究における経口吸収性評価技術と製剤的な吸収改善手法の活用」 真壁宗義
(第一三共株式会社)
創薬研究においては、スピードが重視され、限られた時間のなかで特性解析技術を駆使し如何にして医薬品となりうるものを見極めるかが重要となります。特に創薬初期段階においては、少量原薬を用いて薬物の効果を最大限に引き出すための評価手法と探索製剤化技術が求められております。本講義においては、少量の原薬から如何に吸収性を見積もっていくか、また吸収性改善にどのような技術が適応可能なのか、実例を交えてお話しさせていただきたいと思います。探索段階で用いる製剤技術の活用で如何に創薬研究を加速し、成功に導くか。本講義を通じて皆さんと一緒に考えることができれば幸いです。
PM-1
14:00-16:00
「錠剤の製造における各種造粒法の特徴と選択のポイント」 大島孝雄
(科研製薬株式会社)
内服固形製剤は不均一製剤であり、含量均一性や溶出性をはじめとする製剤特性をコントロールする必要がある。
将来に渡る安定生産を実現するためには、開発段階において適切な処方設計と製法設定を行い、品質を創り込むことが重要と考えている。
製剤化工程の中においても特に造粒工程は、種々の造粒法が知られており、それを具現化するために数多くの造粒装置が開発されてきた。
このことからも造粒工程の重要性と難しさを知ることができる。
私自身もこれまで社内外の先輩研究者に多くのことを教わり、技術伝承の恩恵に預かってきた。
微力ではあるが本講習会にて少しでも皆様のお役に立てば望外の幸せである。
PM-2
16:10-18:10
「固体分散体製剤化技術と分子状態評価」 米持悦生
(国際医療福祉大学)
講義では、固体分散体製剤にかかわる最新の処方設計・分析評価技術について、受講者の皆さんに広く知ってもらうことを目的としました。固体分散体製剤の設計の基本から、処方のスクリーニング手法、設計された製剤の評価技術について紹介します。さらに、計算化学的手法を利用した最新の処方設計技術を紹介します。
医薬品開発へのDX技術の導入が進んでいます。講義で紹介する製剤化研究の最前線のトピックは、製剤開発に携わる多くの研究者に新たなモチベーションとなることを期待します。

10/4(金)

日程 演題 講師
AM
10:00-12:00
「AIによる処方設計」 梅本佳昭
(アステラス製薬株式会社)
医薬品の製剤開発では,種々の品質規格を全て満たす処方を設計する必要があり,そのために数多くの検討が行われている。一方で,近年AIを始めとするデジタル技術が発展し,製剤開発への貢献が期待される。本講習会では,速く効率的な製剤開発を目指し,重要な製剤品質項目を予測するAI,及び複数の主要製品品質が最適化された処方を提示するAIの開発事例を紹介する。本事例を通じて,製剤開発におけるAI活用ならびにデジタルトランスフォーメーションの在り方について,皆様と共に考えることができれば幸いである。
PM-1
13:00-15:00
「医薬品の包装設計~ジェネリック医薬品企業としての包装技術・包装設計~」 結城健
(沢井製薬株式会社)
医薬品開発において、製剤部門、包装部門、分析部門の連携は不可欠である。特に製剤と包装は、有効期間にわたって製剤の品質規格を保証し、適正な使用及び投与時の安全性を確保することが求められている。さらに、近年、複雑化する製品ニーズ、多様化する医療環境、それに伴うサプライチェーンの変化に高いレベルで適応するための緊密な連携が必要である。本講義では、製剤と包装の連携強化の促進に繋がることを期待して、ジェネリック医薬品企業における包装設計、包装技術の事例を紹介する。
PM-2
15:10-17:10
「高薬理活性物質の取り扱い及び封じ込め(固形製剤設備を中心に)」 竹田守彦
(ファルマ・ソリューションズ株式会社)
特に薬理活性の高い薬剤を取り扱う場合、交叉汚染による患者への健康障害リスクや薬剤に曝露した従業員への健康障害リスクを厳格に評価しリスクに応じた技術的(ハード)あるいは組織的(ソフト)措置を講ずる必要がある。こうした一連のリスクマネジメントについて、ICH Q9(品質リスクマネジメント)にもとづき解説し、1次・2次バリア(封じ込め機能)の選定手法や緊急時対応などについて紹介する。
また、高薬理活性物質を粉体状態で取り扱うことが多い固形製剤製造設備における封じ込め対策事例などを紹介する。

第3部

会場: 名城大学ナゴヤドーム前キャンパス西館レセプションホール

12/19(木)

日程 演題 講師
AM
11:00-13:00
「無菌製剤総論―注射剤を中心に―」 中園修一
(第一三共株式会社)
無菌製剤の剤形としては注射剤、点眼剤、眼軟膏剤等がある。特に注射剤は体内に直接注入して適用するため、経口での適用が困難なバイオ医薬品の重要な剤形となっている。今後もモダリティーが多様化し、注射剤での投与も想定されることから、無菌製剤技術の重要性は益々高まっている。本講義においては、注射剤を中心に無菌製剤の研究開発に必要な知識について基礎的なことから概説したい。
PM-1
14:00-16:00
「凍結乾燥技術」 細見博
(共和真空技術株式会社)
凍結乾燥の基礎をベースに、医薬品の凍結乾燥の失敗事例とその対策方法を交えて、バリデーションのポイントなど、凍結乾燥技術の概要を説明する。
凍結乾燥は他の乾燥方法では成しえない優位点があり、注射製剤や無菌原薬を主に幅広く活用されているが、条件の違いに影響を受け易いデリケートな乾燥方法である。命を守るための薬の製造装置を作っている仕事であることを心掛け、製剤技術者の方たちとも切磋琢磨して技術を培ってきた。ご質問や相談にも時間の許す限り答えたいと思います。
PM-2
16:10-18:10
「高容量を含む、皮下投与製剤の技術進歩及び実際の開発に関する必要なタスク」 藤原秀安、平井友貴
(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)
社会の高齢化に伴い在宅医療が注目され、皮下注射への期待が高まっています。本講演は、高容量を含む皮下投与製剤の技術進歩及び実際の開発に関する必要なタスク等、並びにBD実施の臨床試験について解説します(2023年PDA学会講演「大容量ウェアラブルインジェクタ-の海外での実証調査について」、日本PDA学術誌 GMPとバリデ-ション/25 巻 (2023) 2 号掲載「高用量皮下注射デバイスの最近の動向 “皮下注射の課題と高用量皮下注射デバイスを用いた臨床試験”」を発展的に継承致します)。自己投与デバイスに関する経験等を加え、分かりやすく解説致します。

12/20(金)

日程 演題 講師
AM
10:00-12:00
「国産初のシングルユース製品の開発」 松田博行
(藤森工業株式会社)
シングルユース製品は、抗体医薬製造での細胞培養や培地輸送のために欧米で開発されてきた。国内で採用していた抗体医薬品メーカーからの国産化の要望に応じて開発を始めた。当初は、共通の考え方や規制が無かったため、シングルユース製品を用いて製造した医薬品の品質を確保するために必要な管理項目を設定し、品質規格の構築を行った。開発担当者として、経緯や課題点など苦労話を含めて紹介する。また、新型コロナ禍における物流不安定の中で課題として浮かび上がってきた有事における安定供給のための取り組みについて、将来構想を含めて紹介する。
PM-1
13:00-15:00
「無菌医薬品製造におけるバリアシステム(アイソレータ/RABS)」 中村健太郎
(日揮株式会社)
無菌医薬品を製造する施設において、重要区域となるグレードAゾーンを周囲の汚染から守るためにアイソレータなどのバリアシステムが用いられます。
各種バリアシステムの考え方や運用、維持管理の注意点などをGMPおよびCCSの観点から解説を試みたいと思います。
PM-2
15:10-17:10
「抗体医薬品の製剤設計」 佐々木仁
(中外製薬株式会社)
近年、抗体医薬品をはじめとするバイオ医薬品の発展は目覚ましく、医薬品市場において大きな割合を占めるようになってきています。抗体医薬品の研究開発においては、タンパク質の物性を理解し、最適な製剤設計を行うことが、重要となります。本報では、抗体医薬品の処方・品質設計、容器設計、製法設計についての概要を紹介します。
より多くの抗体医薬品が世界の患者さんに届けられるように、製剤技術に携わる者として貢献していきたいです。

参加区分と参加費(消費税10%含む)

参加費には、受講頂く講義並びにテキストが含まれます。

参加区分 参加費-消費税込
【A】本学会会員-企業所属 全3回 165,000円
全3回のうちいずれか2回 132,000円
全3回のうちいずれか1回 88,000円
【B】本学会会員-大学・病院等所属 全3回 110,000円
全3回のうちいずれか2回 88,000円
全3回のうちいずれか1回 55,000円
【C】本学会賛助会員企業社員 全3回 165,000円
全3回のうちいずれか2回 132,000円
全3回のうちいずれか1回 88,000円
【D】本学会非会員 全3回 220,000円
全3回のうちいずれか2回 165,000円
全3回のうちいずれか1回 99,000円
【E】シミックグループ社員 全3回 110,000円
全3回のうちいずれか2回 88,000円
全3回のうちいずれか1回 55,000円
注意
テキストは当日会場にてお渡し致します。
<意見交換会について>
7月4日、10月3日、12月19日は講習会終了後に意見交換会を開催予定です。(参加費別)
<キャンセルについて>
会期より1週間以内のキャンセルにつきましては、参加費を全額頂戴しますこと、予めご了承ください。

参加申込と申込期日

次項の参加申込フォーム(Googleフォーム)よりお申込みください。
申込フォームは第1部から第3部まで対応していますが、各講習会の申込期日は以下のとおりです。

第1部への参加申込期日 6月25日:申込終了しました。
第2部への参加申込期日 9月24日:申込は7月8日より再開します。
第3部への参加申込期日 12月10日:申込は7月8日より再開します。

申込フォームの送信後に登録いただきましたメールアドレスに「製剤技術伝承委員会」事務局より1週間以内に参加申込料の請求書、連絡事項をお送りします。セキュリティ上Googleフォームへの申込が出来ない場合は日本薬剤学会製剤技術伝承事業のメールアドレスにご連絡ください。

製剤技術伝承事業メールアドレス
Email: densho [at] apstj.jp
[at]を@に置き換えてください。

参加申込フォーム

https://forms.gle/JY6YUgJYY7vAhzja9

ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
賛助会員企業一覧はホームページ「賛助会員制度」でご確認ください。

本学会会員の方は、申込にあたり「会員番号」が必要です。会員番号がご不明な場合は、学会支援機構内会員管理事務局までお問合せください。
会員管理事務局メールアドレス member [at] asas-mail.jp
[at]を@に置き換えてください。

ご出席について

全講義の70%以上を受講された申込者に対し、希望者には講習会修了証書を送付致します。

お問合せ先

公益社団法人日本薬剤学会事務局 伝承講習会担当
テレワークの場合がございます為ご連絡はメールでお願い致します。
Email: densho [at] apstj.jp, Phone: 03-6277-4351

[at]を@に置き換えてください。