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会期
2011/6/23-24, 7/28-29(各、木・金)
会場
毎日インテシオ4F
JR大阪駅より徒歩約5分・阪急、阪神、地下鉄各駅より徒歩約10分
大阪市北区梅田3丁目4番5号
Phone: 06-6346-8833
ご案内
奥深い匠の技術と設計思想を学び、日本の技術力を更なる高みへ
薬事法改正を始めとする環境の変化に伴い、わが国で脈々と培われて来た製剤技術が散逸することが懸念される中、本学会では2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、講習会の開催等による、製剤技術の伝承に努めて参りました。今回は「固形製剤の製剤設計と製造法」をテーマに、様々な分野のエキスパートにご講演いただきます。奮ってご参加下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。
社団法人日本薬剤学会会長 杉林堅次
製剤技術伝承委員会委員長 吉野廣祐
本講習会はシミック(株)の協賛を得て運営されております
プログラム:第1日 6/23(木)
司会:槇野 正
9:45-11:45
製剤設計総論
平井真一郎, 元:武田ヘルスケア(株)代表取締役社長/武田薬品工業(株)製剤研究所長・理事
“新しい化合物が合成され、その薬理効果が検討されても、このままでは「くすり」とはならない。確実に再現性のある効果を発揮し、使用期間を通じて安定性が確保され、かつ患者さまに使い易い製剤にするためには、その化合物の物理化学的、生物学的性質を充分に把握し、製剤設計することが重要である。さらに後発品開発においても他社との差別化を図るため付加価値を付与した製剤設計することが重要となる。今回、製剤設計の重要性を説明するとともに、具体例を示すことにより、少しでも製剤研究者の設計業務に参考になればと考えている。”
12:30-14:30
製造現場の打錠障害
大谷茂義, ニプロ(株)医薬品研究所顧問 元:塩野義製薬(株)製剤技術
“技術伝承の本講演会で、すでに造粒工程の「流動層造粒法」「押出し造粒法」「攪拌造粒法」などをお話してきましたが、続いて製造現場で体験する「打錠障害」を集約してお話したいと思います。打錠障害の殆どは造粒工程が原因であり、成分組成の問題、造粒方法条件で改善できると言われていますが、打錠作業者は打錠障害が発生する製錠顆粒を、打錠条件を駆使して、その時々に変更して打錠し、その改善を後輩に伝承しているように思います。今回、造粒工程での改善方法を含めて、それらの全体を集約する形で示したいと思っています。”
14:40-16:40
速崩壊錠の設計と外部滑沢打錠法の活用
岩田基数, 大日本住友製薬(株)技術研究本部製剤研究所固形製剤研究第1Gマネージャー
“添加剤の持つ物理化学的性質を巧みに利用し、従来の考え方にとらわれない製剤設計を行うことにより、既存品の性能を超える製剤を設計することも可能である。錠剤においては、添加剤の性質を効果的に活用し、きめ細かな製剤特性の制御を行うことにより、これまでにない速やかな崩壊性を有する製剤(口腔内崩壊錠)が得られている。一見、ありふれた外観を持つこの製剤の中には、技術者の思いとサイエンスが集積されている。本講義では、原薬や添加剤の基礎物性に対する理解の大切さを速崩壊錠の設計事例を通じて感じていただき、速崩壊錠から外部滑沢打錠法を用いた口腔内崩壊錠へと繋がる技術の流れの面白さも伝えたい。”
16:45-18:15
情報交換会
プログラム:第2日 6/24(金)
司会:徳永雄二
9:45-11:45
クスリが変わる 口腔内崩壊錠の大潮流 技術 展望
増田義典, 耕薬研究所代表/大鵬薬品工業(株)顧問 元:アステラス製薬(株)
“口腔内崩壊錠の潮流、技術の概要についてエピソードを交えて紹介する。口腔内崩壊錠は患者志向、LCM(耕薬)、知識デザイン(先見力・形成力・革新力)により研究20年余製品上市10年余で大潮流となりつつある。今後経口剤の主流になることが推察される。”未来は創るもの””健康へのアシスト”の考え方で 日本発の口腔内崩壊錠・技術としたいもの。”
12:30-14:30
造粒、コーティングと製剤機器
武井成通, フロイント産業(株)技術開発研究所長
“過去30年にわたる造粒、コーティング技術の変遷を、エンジニアリング(化学工学、粉体工学)という切り口で検証します。現在も使われる経験則と工学的なアプローチ間の類似点と相違点について、失敗談を交えて概説します。多くの先生と議論を重ねながら練り上げてきたスケールアップ理論が、どれほど定着しているのか、数字だけが一人歩きしてはいないか、心配の種は尽きません。”
14:40-16:40
医薬品製造における混合操作―混合はモノ作りの出発点―
朝日正三, (株)徳寿工作所研究開発部マネージャー
“医薬品製造において混合工程は、最終製品の含量均一性を保証するための重要工程であり、なくてはならない操作といえる。現在さまざまなタイプの混合機が製作されているが、混合の目的や混合する材料に応じた機種を選定し、それを使いこなせなければ、良い混合はできない。今回の講義では、その混合操作に関する基本的な部分や、混合の良し悪しを左右する重要なパラメータに関する事例や、混合状態を評価する方法など、装置メーカーからみた観点で、混合工程における注意点などを合わせて解説する。”
プログラム:第3日 7/28(木)
司会:田畑哲朗
9:45-11:45
製剤からの薬物の吸収性評価
山口俊和, 安田女子大学薬学部教授 元:大日本製薬(株)分析研究部長・製剤研究部長
“新薬開発における一次スクリーニングは、ほとんどがin vitroの系であり、脂溶性の高い化合物が高活性を示しやすい。その結果、選択された開発化合物の多くは、脂溶性が高く、水に溶けにくい。このような化合物は、一般に初回通過効果を受けやすいためBAが悪く、さらに、血漿中濃度の個体内・個体間変動が大きいため、製剤からの吸収性評価は極めて難しい。このような薬物では、よりbetterな製剤(処方)を選択するために、薬物相互作用(酵素阻害)を利用したイヌを用いる吸収性の評価法について紹介したい。また、最終的な製剤評価である生物学的同等性を得るための、製剤設計担当者の対応(心構え)についても述べてみたい。”
12:30-14:30
製剤の苦味マスキングと徐放化技術
中村康彦, 佐藤薬品工業(株)取締役工場長兼技術本部長 元:大日本製薬(株)執行役員技術研究センター長
“徐放製剤と苦味マスキング技術は薬物の溶出性制御において共通している。徐放製剤は時間、日単位の溶出制御であり、生物学的利用能に注意を払う必要がある。苦味マスキングは物理的手法により30~60秒単位の溶出制御が基本であるが、化学的、官能的マスキング法も組み合わせて利用される。いずれも患者のコンプライアンス改善に役立ち、また最近のOD錠ブームの中でこの二つの技術は微粒子コーティング技術として益々クローズアップされてきている。自分で物を作り、納得するまで評価できる粘り強い研究者、技術者として頑張って欲しい。”
14:40-16:40
原薬の物性および製剤の製造における新しい評価法
寺田勝英, 東邦大学薬学部教授 元:中外製薬(株)中央研究所主任研究員
“近年の製剤開発では、原薬の物理化学的特性や製造工程を科学的に評価することが求められている。さらに原料の物理的特性の微細な違いが製品の品質に影響を受けないような製剤設計、品質に影響を及ぼす重要工程や工程のエンドポイントに工程分析機器を活用して工程管理する手法が推奨されている。製剤技術、機械技術などの革新とともに分析技術や解析技術の進歩もあいまって、柔軟な発想に基づいた科学的な医薬品の品質保証が重要になると思われる。本講義では、物性分析技術が原薬や製剤の品質評価にどのように応用でき、製品の品質向上にどのように応用できるかをお話ししたい。”
16:45-18:15
情報交換会
プログラム:第4日 7/29(金)
司会:藤岡敬治
9:45-11:45
固形製剤の製造プロセスにおける経験値
―粉体物性とその挙動が製品品質に及ぼす影響―
神谷明良, ファイザー(株)製造部門品質保証統括部 元:同 製造部門生産技術部長
“ICHの国際整合性の流れの中で、製造販売承認申請書の中の製造方法欄の記載内容について大幅な変更がなされてきた。そこでは、製剤化過程の重要工程の設定とその工程が製品品質にどのように影響を及ぼすか明確にする必要が生まれてきた。製剤操作に密接に繋がる製剤技術、操作パラメターへの認識の重要性が一層増してきた。固形製剤では、プロセス中の粉粒体物性とこれと密接に繋がった粉体挙動が製品品質に及ぼす影響を理解せずに、申請上のコミットメントも製造管理も品質保証も成立しなくなったと言っても過言ではない。”
12:30-14:30
造粒・混合・打錠工程のスケールアップとトラブル防止
谷野忠嗣, 塩野義製薬(株)CMC技術研究所製剤研究センター長
“開発品を商用生産する上で、造粒工程のスケールアップは非常に重要である。小スケールで製造した治験薬や安定性サンプルと物理的・化学的・生物薬剤学的に同等な品質の製剤を生産スケールで製造するためにはさまざまな検討が必要であるが、攪拌造粒や流動層造粒ではスケールアップに関する一般解は十分に確立されていない現状があり、ケーススタディ的な対応やある程度のノウハウが必要となってくる。もちろん既存品であっても、ロットサイズ変更やサイトチェンジなどで同様な検討が必要となる。一方、打錠工程においても、スケールアップするとさまざまなトラブルが発生する場合が多くその対応方法を知識として保有しておくことは非常に重要である。本講義ではこれらへの対応方法をできるだけ平易に解説したい。”
14:40-16:40
顧客志向における製剤・包装の利便性、識別性について
園田 努, 東和薬品(株)生産本部次長
元:アステラス製薬(株)営業本部学術情報部次長
“1981年より、30年のながきにわたり、ほぼ一貫して新製品の包装企画,ラベル・ケースの表示・デザイン、顧客ニーズ調査などを担当してきたなかで実施した、錠・カプセル剤本体への製品名表示、PTPシートへのカタカナ製品名表示・薬効表示・使用期限表示並びに,注射剤ラベルへの2次元(QR)コード表示等のメディケーションエラー防止対策について紹介する。同時に、製薬企業の医療過誤防止に対策についての取り組みを通して、顧客志向・患者志向の重要性を伝承したいと思う。”
司会、情報交換会には「製剤技術伝承委員会」から製剤のエキスパートが参加し、話題を提供します。
- 各コマ時間帯:
各120分(AM=9:45-11:45, PM1=12:30-14:30, PM2=14:40-16:40)
内訳:講義90分+討論30分 - 講義名・講師は予定。またプログラムは予告なく変更されることがあります。
- カメラ等の録画・録音機器の持ち込みは禁止とさせていただきます。
参加区分と参加費
参加区分 | 参加費 | 参加登録フォーム |
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【A】本学会会員-企業所属 | 120,000円 | 区分【A】【B】での登録 >>> |
【B】本学会会員-大学・病院等所属 | 80,000円 | |
【C】本学会賛助会員企業社員 | 120,000円 | 区分【C】【D】での登録 >>> |
【D】本学会非会員 | 150,000円 |
- 参加費には、全編または前後編の講義並びに懇親会への参加・テキスト(前後編の各初日に配布)が含まれます。
- ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
- 参加登録フォームは、区分【A】【B】と区分【C】【D】で異なりますのでご注意下さい。
- 参加登録受付は学会支援機構のオンライン参加登録システム(SSL接続)を使用しています。
- 本学会会員(区分【A】【B】)の方は、ご登録にあたり「会員番号」「パスワード」が必要です。
ご出席について
全講義の70%以上を受講された方に対し、講習会修了証書をご所属先上長様宛に送付致します。また、当初お申込の方による当日のご出席が不可能な場合は、一定の条件(以下参照)を満たす代理人による出席を認めます。
代理人の条件等
参加区分【A】【B】
代理人の条件:本学会会員であること。
代理出席の方法:Emailによる事前申請が必要です。以下のフォームをメッセージ本文にペーストし、必要事項をご入力の上、タイトルを「製剤技術伝承講習会代理出席申請書」として事務局までお送り下さい。
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(1)参加登録者の氏名:[ ]
(2)代理出席者の氏名:[ ]
(3)代理出席者の会員番号:[129- - ]
(4)代理出席を申請する講習会:第[ ]日 / [ 月 日]開催分
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参加区分【C】【D】
代理人の条件:同一企業社員
代理出席の方法:当日、会場受付に(1)当初登録の参加者の名刺 と (2)代理出席者の名刺を提出して下さい。
いずれの場合も、代理人は1日につき1名、全日程を通して2名までと致します。
お問合せ先
社団法人日本薬剤学会事務局
Phone: 03-5981-6018, Email: apstj [at] asas.or.jp