超分子薬剤学FG

超分子薬剤学FGについて

活動目的

超分子とは、複数の分子が共有結合以外の結合により秩序だって集合した分子のことをいい、DNA、抗体-抗原複合体、脂質二重膜等、生体内にも多く存在する。薬物担体や製剤素材として汎用されるリポソーム、多糖(キチン、キトサン、セルロースなど)、ポリマー(両親媒性、熱応答性など)、アルブミン、包接化合物(シクロデキストリンなど)、金属(金、銀、酸化チタンなど)、炭素化合物(C60、CNT、酸化グラフェンなど)などは超分子の一種であり、薬剤学領域において、超分子は不易流行な化合物である。一方、2016年のノーベル化学賞は、超分子化合物(分子マシン)の発見者に贈られ、また我が国では環動ゲルが国家プロジェクト(Impact)の基盤技術として新しい自動車素材としての応用研究が推進され高い注目を集めている。しかしながら、薬学および薬剤学領域において、超分子科学を履修する機会は少ない。さらに超分子のイメージング技術を用いた体内動態や有効性・安全性評価に関しても研究の発展が望まれている。本FGでは、「超分子化学」と「薬剤学」を融合した新規学問「超分子薬剤学」を立ち上げ、人工知能(AI)を利用した新規機能性超分子化合物の創製やその評価を含めた次世代の薬剤学を創製することを目的とする。

活動概要

シンポジウムやラウンドテーブルの企画・運営

超分子化学はこれまで理工学領域が主体の学問であり、医工連携のもと、医学領域へも浸透している。「超分子薬剤学」に関する国内外のシンポジウムやラウンドテーブルをオープンな場で開催することにより、薬学と理工学・医学との連携を加速できる。理工学・医学の知識・人材が薬剤学領域に加わると共に、その逆方向への流れも構築されることで、医薬工理連携の究極の学際的関係が構築でき、新たな研究領域の創生を目指す。

解説書、参考書、総説の作成

新規学問を普及させるためには、教科書・解説書等は必須である。本 FG メンバーを中心として、「超分子薬剤学」に関する解説書・教科書等を作成する。すでに出版に向けて薬学系出版社と交渉を開始し、概ね賛同が得られている。

FGメンバー同士の共同研究の推進

本 FG メンバー間で共同研究を推進し、特許出願や学術論文発表を行うと共に、将来的には実際に製品を上市することを目指す。

執行部メンバー

  氏名 所属
リーダー 異島 優 京都薬科大学
副リーダー 山吉 麻子 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
会計 麓 伸太郎 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
清水 太郎 大阪大学ワクチン開発拠点先端モダリティ・DDS研究センター
幹事 丸山 徹 熊本大学薬学部
小柳 悟 九州大学大学院薬学研究院
小暮 健太朗 徳島大学大学院医歯薬研究部
根岸 洋一 東京薬科大学大学院薬学研究科
石原 比呂之 エーザイ株式会社
井上 浄 株式会社リバネス、慶應義塾大学、熊本大学
瀬々 潤 株式会社ヒューマノーム研究所
山本 剛史 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
川上 茂 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
福田 達也 和歌山県立医科大学薬学部
上坂 晃弘 住友ファーマ株式会社
広報 有馬 英俊 第一薬科大学薬学部

活動紹介

準備中